日銀 過去25年間の金融政策 消費者物価押し上げ効果は1%程度

日銀は、過去、25年間のいわゆる非伝統的な金融政策について、経済や物価の押し上げに一定の寄与があったとしながらも、消費者物価を押し上げる効果は1%程度にとどまっていると分析しています。

日銀は、過去25年間の金融政策の効果や副作用を分析する「多角的レビュー」の一環として、12月4日に初めて外部の有識者を招いた討論会を開き、このときに報告した分析結果を6日に公表しました。

それによりますと、異次元緩和策やマイナス金利政策など、日銀が過去、25年間に実施した、いわゆる非伝統的な金融政策の効果について、生産の押し上げに大きく寄与し、潜在成長率を下支えした可能性が示唆されるとしています。

さらに、雇用環境を改善させ、雇用者所得を拡大させたほか、「経済・物価の押し上げに対して一定の寄与があった」としています。

ただ、消費者物価を押し上げる効果は1%程度にとどまっていると分析しました。

これについて日銀は、物価と賃金の関係性など、さまざまな要因について理解を深め、さらに総合的に分析する必要があるとしています。

日銀は、来年5月ごろに2回目の討論会を開く予定ですが、それまでに分析を行った案件について、包括的に討議を行うことにしています。