【7日詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領 イランと首脳会談へ 軍事協力へ意見交換か

ウクライナ空軍は7日、西部のフメリニツキー州や南部オデーサ州でロシア軍からイラン製の無人機18機による攻撃を受け、15機を撃墜したと発表しました。

オデーサでは港の倉庫などが攻撃を受けて火災が発生し、トラックの運転手1人が死亡したと地元の州知事は明らかにしました。

イギリス国防省は6日、ロシアはイラン製の無人機をことし中頃からは国内の施設で製造していて、電波妨害などによる撃墜を防ぐための対応などさらに改良を加えていると指摘しました。

こうしたなか、ロシアのプーチン大統領は7日、モスクワで、イランのライシ大統領と会談を行う予定で、さらなる軍事協力についても意見を交わす可能性があるとみられます。

ゼレンスキー大統領 G7で欧米などによる支援継続訴える

G7=主要7か国の首脳会合は、日本時間の6日夜、オンラインで開かれ、ウクライナのゼレンスキー大統領も招待国として出席しました。

この中でゼレンスキー大統領は、日本がことしG7の議長国を務めたことに触れ、「とても実りが多かった」と謝意を示しました。

そして、G7など各国の支援を受けて、黒海での農産物輸出が進んでいることや、発電所などインフラ施設の防衛力を強化できていること、それに前線でロシア側を迎撃していることなどをあげて、成果を強調しました。

一方、ウクライナへの軍事支援をめぐっては、最大の支援国であるアメリカの議会で協議が難航し、バイデン政権は議会が新たに予算を承認しなければ年末までに枯渇するという見通しを明らかにしています。

ゼレンスキー大統領は「ロシアが望むことはひとつ。来年、自由世界の結束が崩れることだ」と述べたうえで、「自由世界は、結束を維持し、自由の価値観を攻撃されている人たちへの支援を続ける必要がある」と述べ、欧米などによる支援の継続を訴えました。

ウクライナ 例年より早くクリスマスツリー点灯

ウクライナの首都キーウ中心部にある聖ソフィア大聖堂の前の広場には、高さ12メートルのクリスマスツリーが設置され、6日、クリチコ市長のカウントダウンにあわせてイルミネーションが点灯されました。

ウクライナではこれまで、ウクライナ正教会がロシア正教会と同じ暦を使用してきましたが、軍事侵攻を続けるロシアへの強い反発の中、ことしからローマ・カトリック教会などと同じ暦を使うことになり、クリスマスも1月7日から12月25日になりました。

このため、2週間ほど早く設置されたクリスマスツリーにはウクライナの国旗の色である青と黄色のハート型の飾りが付けられ、訪れた人たちは友人や家族とツリーの前で写真を撮るなどしてイルミネーションを楽しんでいました。

ツリーを見に来ていた42歳の男性は「戦争が続く中でもツリーを見ることで前向きな気持ちになれる。暦を変えてロシアから自由になるのはいいことだ。来年は平和になってほしい」と話していました。

バイデン大統領 「プーチン大統領を勝たせない」予算承認要請

アメリカのバイデン政権は、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの軍事支援を巡り、議会が新たに予算を承認しなければ年末までに枯渇するという見通しを明らかにしています。

バイデン大統領は6日、会見し「プーチン大統領がウクライナを掌握できずにいるのは、われわれが支援しているからだ」と訴えました。

そのうえで「プーチン大統領を勝たせるわけにはいかない。われわれが支援しなければ世界のほかの国々がどうするのか、考えてほしい」と述べ、ウクライナへの最大の支援国アメリカの役割を強調し、議会に対して年末の休会を前に予算を承認するよう強く求めました。

バイデン政権は、ことし10月にウクライナやイスラエルに対する支援などとして連邦議会に対してあわせて1000億ドル以上の緊急予算を要請しましたが、野党・共和党は、メキシコとの国境管理の強化を進めることが条件だとしていて協議は難航しています。

バイデン大統領は会見で、国境管理を巡って共和党側に一定の譲歩をする考えも示しましたが、事態の打開につながるかは不透明です。