日大アメフト部 廃部方針 部員へ初の説明会 経緯など説明

日本大学はアメリカンフットボール部の薬物事件を受けて6日夜大学が廃部の方針を示してから初めてとなる部員への説明会を行い、廃部の方針の経緯などを説明しました。
部員からは部の存続を求める意見などが出て大学は出された意見をすべて林真理子理事長に伝えるとしています。

日本大学アメリカンフットボール部の廃部の方針をめぐって、林理事長が今月4日の記者会見で理事会で継続審議していくことを強調しました。

大学が廃部の方針を示してから初めてとなる部員への説明会が6日夜、東京 千代田区の日本大学本部でオンラインと対面の併用で行われ、大学側から澤田康広副学長や益子俊志スポーツ科学部長、それにアメフト部の中村敏英監督などが出席しました。

説明会は非公開で、会場には部員61人が集まり、保護者などを含む151人がオンラインで参加して2時間半ほどにわたって行われました。

この中で大学側は一連の薬物事件を受けて11月28日競技スポーツ運営委員会が廃部の方針を示した経緯などについて説明したほか、部員たちからそれぞれ意見を聞きました。

関係者への取材によりますと、部員からは「チームが再開できるチャンスをもらうために廃部の方針についてもう一度考え直してほしい」とか、「大学側の失敗もある中でなぜ自分たちが強制的に責任を取らなければならないのか」などといった意見が出たということです。

大学側は部員たちから出された意見をすべて林理事長に伝えるとしています。

日本大学は「説明会を受け、今後開催される理事会でアメリカンフットボール部の今後について慎重に検討いたします」とコメントしています。

専門家 “学生が置き去りに 納得するまで説明・報告を”

組織のガバナンスの問題に詳しい青山学院大学の八田進二名誉教授は、これまでの日本大学の対応について、「学生が置き去りにされている。“学生ファースト”とあるが、実効性を伴っていない。不信感をもたれている組織に身を置いている学生は、身を削られる思いだと思う」と一連の薬物事件をめぐって、学生不在で話し合いが進められてきたと指摘しました。

そのうえで、今後、日本大学に求められる姿勢について、「まずは情報開示を適切に行うことが重要だ。説明責任というのは、ただ単に、じょう舌に話すことではなく、事実に基づいて説明すべき事柄を正しく報告し、聞いている側が納得するまで果たさなければいけない」と強調しました。