京アニ裁判 青葉被告が遺族に初めて直接謝罪

「京都アニメーション」の放火殺人事件の裁判で6日、被告人質問が行われ、青葉真司被告は、遺族の質問に対して「申し訳ないと思います」と答え直接謝罪しました。この裁判で謝罪のことばを述べたのは初めてです。

青葉真司被告(45)は、4年前の2019年7月、京都市伏見区の「京都アニメーション」の第1スタジオでガソリンをまいて火をつけ、社員36人を死亡させ、32人に重軽傷を負わせたとして殺人や放火などの罪に問われています。

6日、京都地方裁判所で開かれた裁判では、これまで法廷で遺族や被害者が話した意見陳述を踏まえて、この裁判で最後となる被告人質問が行われました。

この中で、検察官から裁判で被告が「こんなにたくさんの人が亡くなるとは思っておらず、やりすぎた」と述べた意味を尋ねられると「しょく罪の気持ちを含むというか、多大に申し訳ないという気持ちはある」と述べました。

裁判で被告が遺族や被害者に対して謝罪のことばを述べたのは初めてです。

そのうえで遺族や被害者が極刑を望むとした意見陳述への受け止めを聞かれると「それで償うべきだと捉えている部分はある」と話しました。

このあと妻を亡くした夫からも「私の息子や妻に対してどう思うか」と問われると「申し訳ないと思います」と答え、直接謝罪しました。

このほか、弁護側の質問に対して、拘置所の職員に今の生活を支えられているとしたうえで「早く大阪拘置所に来てこんな環境に置かれていたらおそらく事件を起こさなかったのではないかと思う」と話しました。

裁判は7日、検察が求刑を行い、被告の弁護士や被告本人が最終的な意見を述べ、3か月余りにわたった審理が終わる予定です。