「周庭氏 一生 逃亡者として追われる」香港政府トップが警告

日本でも知られている香港の民主活動家の周庭氏が、滞在先のカナダから、香港に戻らないと明らかにしたことについて、香港政府トップの李家超行政長官は「一生、逃亡者として追われることになる」と述べ、警告しました。

香港の民主活動家で、流ちょうな日本語を使ったSNSでの発信などで知られる周庭氏は、3日、およそ2年ぶりに投稿したSNSでカナダのトロントに滞在しているとしたうえで「香港の情勢や自分自身の身の安全などを考慮した結果、香港には戻らないと決めた」と明らかにしました。

周氏は、2020年8月、外国の勢力と結託して国家の安全に危害を加えたなどとして香港国家安全維持法に違反した疑いで逮捕され、その後、保釈されましたが、今も当局による捜査が続いています。

香港政府トップの李家超行政長官は5日の記者会見で、周氏について「香港政府は、国家の安全を危険にさらす逃亡者を徹底的に追跡する」と強調しました。

そのうえで周氏について「みずから出頭しないかぎり、一生、逃亡者として追われることになる」と強調しました。

香港では、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法が施行され、民主活動家が海外に逃れるケースが相次いでいますが、香港の警察は海外に滞在する活動家を指名手配するなどして、締めつけを強めています。

中国外務省「香港政府など 法に基づき職務果たすこと支持」

香港政府トップの李家超行政長官が周庭氏について警告したことについて、中国外務省の汪文斌報道官は、6日の記者会見で「われわれは香港の政府と司法機関が法に基づき職務を果たすことを支持する」と述べました。