岸田首相 派閥パーティーの自粛を指示「一致結束して対応」

自民党の派閥の政治資金をめぐる問題を受けて、岸田総理大臣は党幹部に対し、国民の信頼回復のために必要な対策を取るまでは、各派閥の政治資金パーティーを当面、自粛するよう指示しました。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について、岸田総理大臣は政府与党連絡会議で、「各政策グループの活動に国民から疑念を持たれていることは遺憾だ。政治の信頼を回復するため、党としても強い危機感を持って、この問題に一致結束して対応していく」と述べました。

このあと岸田総理大臣は自民党本部で、麻生副総裁や茂木幹事長、それに世耕参議院幹事長ら党幹部7人と会談し、対応を協議しました。

そして先ほど記者団に対し、「政治とカネの問題、政策集団のパーティーをめぐって、さまざまな指摘があり、国民の政治に対する信頼が揺らいでいることに党としても強い危機感を持たなければならない。そして党全体として一致結束して、対応しなければならない大変重要な重たい課題であることを指摘し、思いを共有して取り組んでいくことを指示した」と述べました。

その上で「まずは政策集団のパーティーは、党として信頼回復に向けての取り組みを明らかにするまでは開催を自粛すること、年末年始の派閥の行事についても自粛することを確認した」と述べました。

さらに「事態が明らかになる状況を、しっかり把握した上で必要となる対応について、引き続き党として考え、実行していかなければならない」と述べました。

松野官房長官「政党で引き続き対応」

松野官房長官は午後の記者会見で、記者団から「今回の問題が政治の信頼を損ねていると認識しているか」と質問されたのに対し「岸田総理大臣も、今回の案件を通して、政治や党に対する信頼が揺らいでいるという危機感を持っており、私もそうだ」と述べました。

また岸田総理大臣が各派閥の政治資金パーティーを当面、自粛するよう指示したことについて「対応の第一歩となる指示を行った。政党で引き続き必要な対応を行っていくものと認識している」と述べました。

そのうえで、派閥のパーティーを今後一切開催しないことを検討しないか問われたのに対し「政治資金に関するルールは政党や政治団体の政治活動の自由と密接に関連しており、各党・会派で議論いただくべきものだ」と述べました。

自民 茂木幹事長「危機感を共有した」

岸田総理大臣と自民党幹部との会談のあと、茂木幹事長は臨時に記者会見し「岸田総裁から強い危機感が表明され、執行部で共有した。非常に深刻な問題だと捉えており、総裁の方針を速やかに各派閥や党内に徹底していく」と述べました。

そのうえで「パーティーなどの自粛が根本的な解決だとは思っていない。二度と問題が起こらないための対応策がとられるまでは、自粛をするということだ」と説明しました。

また、政治資金規正法を改正する必要性について問われ「現行法に問題があるのか、現行法が守られていないことに問題があるのかによっても対応策は変わってくる。いずれにしても透明性を高めることが極めて重要だ」と述べました。

一方、安倍派について「実態はその派閥でないとわからない部分もある。責任ある立場の人が説明を尽くしてほしい」と述べました。

公明 山口代表「信頼回復へ 緊張感持って力合わせる」

公明党の山口代表は政府与党連絡会議のあと記者団に対し、「国民の信頼を回復できるよう自民党として最大限の努力をしていただきたい。連立政権としてもしっかり結束して、国民の信頼の回復や信頼の維持に努めることが大切であり、これからも緊張感を持って力を合わせていきたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「パーティー自粛の話の前に実態解明を」

立憲民主党の安住国会対策委員長は党の会合で、「派閥のパーティーは自粛するという話が出ているが、その前にやるべきことがあるのではないか。それはひとえに実態の解明であり、どうお金が還流したのか、自民党は一切、口を閉ざしている。実態解明をしないまま、問題にふたをするために、政治資金規正法の改正やパーティー自粛の話をしているのではないか。あさってには予算委員会の集中審議があり、今できる範囲での実態解明を岸田総理大臣や自民党に迫っていく」と述べました。

維新 藤田幹事長「当事者が説明責任を果たすべき」

日本維新の会の藤田幹事長は記者会見で、「明確な意思を持って違法なことをやっていたのであれば大問題だ。派閥のパーティーをストップして調査するのは、組織運営のオペレーションとしては妥当だが、問題は、事実をつまびらかにして説明責任を果たすことまでやる気があるのかだ。『とりあえずいったんやめましょう』とお茶を濁すなら、意味がないし、当事者が説明責任を果たすべきだ」と述べました。

共産 穀田国対委員長「真実を明らかにすることが必要」

共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で「真実が明らかにされないことが国民の政治不信の大きな原因で、パーティーの自粛ではなく、まず真実を明らかにすることが必要だ。それぞれの派閥の事務総長が、国会での質問に対して『政府としては答えない』と平気で話すのは、国民に対する反省もなければ、政治不信を解き明かそうとする態度もない。顔を洗って出直してはどうか」と述べました。

国民 玉木代表「徹底的な解明をしてうみを出す」

国民民主党の玉木代表は党の両院議員総会で、「政治とカネの問題で何度も政治不信が高まったが、今回の件も相当、大きい事案だ。徹底的な解明をして、うみを出すことを求めていきたい。党内でも政治資金や選挙制度の問題などを改めて整理し、党としての考えや対案を出していきたい」と述べました。