中国 タリバン暫定政権 政府としての承認に前向きな姿勢示す

アフガニスタンで実権を握るイスラム主義勢力タリバンの暫定政権について、中国外務省の報道官は「各当事者の懸念への対応が強化されるに従って、承認は当然のこととなるだろう」と述べ、政府としての承認に前向きな姿勢を示しました。

中国外務省の汪文斌報道官は5日の記者会見で、タリバンの暫定政権について、「穏健な内政・外交政策を実行し、世界各国、特に近隣諸国と友好的につきあうことを期待する」と述べました。

その上で、「各当事者の懸念への対応が強化されるに従って、承認は当然のこととなるだろう」と述べ、政府としての承認に前向きな姿勢を示しました。

これに先立って、タリバンの暫定政権は報道担当だったビラル・カリミ氏をアフガニスタンの新たな大使として北京に派遣し、今月、中国外務省に信任状の写しを提出したと明らかにしました。

タリバンの暫定政権はカリミ氏が大使として受け入れられたとするとともに、中国側から「信任状は近い将来、習近平国家主席に提出される予定だ」と説明を受けたとしています。

タリバンの暫定政権をめぐっては、女性への抑圧を強めていることなどから、これまでに政府として承認した国はありませんが、中国としては関係強化によって、アフガニスタンでの資源開発や巨大経済圏構想「一帯一路」への取り込みを有利に進めるねらいがあるとみられます。