米ケリー特使「核融合発電」“国際協力進め早期実用化目指す”

UAE=アラブ首長国連邦で開かれている気候変動対策を話し合う国連の会議、COP28の関連イベントにアメリカのケリー特使が参加し、温室効果ガスを出さない「核融合発電」について国際協力を進め、早期の実用化を目指すアメリカの方針を説明しました。

核融合は太陽の内部で起きている反応で、人工的に起こすことで膨大なエネルギーを取り出せるほか、二酸化炭素や高レベル放射性廃棄物を出さない次世代のエネルギー源として注目されています。

アメリカのバイデン政権で気候変動問題を担当するケリー特使は5日、「COP28」の関連イベントで核融合発電について演説を行いました。

この中でケリー特使は「核融合は私たちのエネルギーの未来に重要な役割を果たしうる。実現には近づいているが、同時に課題も存在する」と述べました。

そのうえで、アメリカとして核融合発電を早期に実用化するために、研究開発やサプライチェーン構築、規制、人材育成、それに社会への理解を促す施策という5つの分野で国際協力を進めるアメリカ政府の方針を説明しました。

核融合発電をめぐっては、アメリカでは国立の研究所が去年、投入したエネルギーよりも多くのエネルギーを発生させる実験に成功したほか、ここ数年、多くのスタートアップ企業に資金が集まり、開発が加速しています。