少子化対策の財源確保へ 医療費など高齢者の負担割合見直しも

少子化対策の財源確保をめぐり、社会保障費の歳出改革の工程案が5日の経済財政諮問会議で示されました。2028年度までに医療費や介護費の高齢者の自己負担割合を見直すことも検討するなどとしています。

政府は、少子化対策の強化に必要な年間3兆円台半ばの財源について、
▽既定予算の活用や
▽社会保障費の歳出改革
それに、
▽企業や国民から広く集める「支援金制度」の創設を通じて確保するとしています。

5日の経済財政諮問会議では、このうちの社会保障費の歳出改革について、政府の「全世代型社会保障構築会議」がまとめた工程案が示されました。

この中では、高齢者の医療費や介護費の自己負担割合について、「現役並みの所得のある人」としている3割負担の対象を見直すことも含めて、検討するとしています。

また、保険料負担の不公平を是正するため、給与などの所得額に応じて決まる保険料の算定に、金融所得を加えることも検討するとしています。

このほか、介護現場の作業効率化のため、ロボットやICT=情報通信技術を活用することや、医療現場のデジタル化を進めて事務負担の軽減を図ることも盛り込んでいて、いずれも2028年度までに進めるとしています。

工程案は今後、与党内の協議を経て年内に閣議決定される見通しです。

岸田首相「歳出効率化や生産性向上を」

岸田総理大臣は「経済、財政、社会保障を包括的にとらえ、人口減少下での持続的成長に向けて政策を講じていくことが重要だ。医療・介護の分野でのDXや新技術の社会実装を徹底して、国民一人一人への最適なサービスを提供し、歳出の効率化や生産性の向上を実現していく」と述べました。