黒トリュフの人工的な発生 国内初成功 岐阜県の森林研究所など

高級食材として知られる黒トリュフの人工的な発生に岐阜県の森林研究所などのグループが国内で初めて成功しました。今後、安定した栽培技術の確立を目指すとしています。

黒トリュフは国内でも自生していますが、栽培技術が確立しておらず、現在は中国やヨーロッパから輸入しています。

こうした中、岐阜県の森林研究所は、茨城県つくば市の森林総合研究所と共同で国産トリュフの人工栽培を目指した技術開発に取り組んでいて、2016年の4月と7月には、国内に自生する黒トリュフの一種「アジアクロセイヨウショウロ」の菌をコナラの苗木56本につけて岐阜県内の試験地に植え、人工的にトリュフができるか調べてきました。

その結果、ことし10月、2つのトリュフ合わせて50グラムができ、遺伝情報を解析した結果、コナラにつけた菌から発生したことが確認されました。

研究グループによりますと、黒トリュフの一部は海外で人工栽培が行われていますが、国内で人工的な発生に成功したのは今回が初めてだということです。

国内では去年、森林総合研究所が白トリュフの人工発生に成功していて、今後、安定した栽培技術の確立を目指すとしています。

岐阜県森林研究所の水谷和人主任専門研究員は「苗木を植えてから7年かかったので発見した時は感動しました。今後、経済的に成立する栽培方法を確立したい」と話していました。