旧統一教会の被害者救済をめぐっては、自民・公明、国民民主の3党と、立憲民主党・日本維新の会が、それぞれ法案を提出し、5党による修正協議では、自民党などが、法案の付則に3年後をめどに財産保全のあり方を含めて検討を加えるとした修正案を示したのに対し、立憲民主党と日本維新の会は、財産保全の方向性をさらに明確にするよう求めていました。
自民党などは協議の内容を踏まえて野党側の賛成も得たいとして、修正案を5日、国会に提出し、衆議院法務委員会で審議が行われました。
この中で、立憲民主党の西村代表代行が「財産の散逸や隠匿の兆候がある場合など必要があればいつでも財産保全に向けた検討に入ることが必要だ」と求めたのに対し、自民党の柴山 元文部科学大臣は「具体的な課題が生じた場合は3年を待たずに検討を加える」と答弁しました。
これを受けて、立憲民主党と日本維新の会の国会対策委員長が会談し、柴山氏の答弁で一定の前進が確認できたとして、修正案に賛成することを決めました。
また共産党も、被害者の弁護団などが求めているとして賛成の方針を決めました。
そして委員会で採決が行われた結果、修正案は全会一致で可決されました。
修正案は5日午後の衆議院本会議でも可決され、参議院に送られる見通しです。
旧統一教会被害者救済法案 自民などが修正案 衆院法務委で可決
旧統一教会の被害者救済の法案をめぐり、自民・公明、国民民主の3党は、立憲民主党、日本維新の会との修正協議の内容を踏まえて修正案を提出し、衆議院法務委員会で採決が行われた結果、全会一致で可決されました。
自民 柴山元文科相「賛成してもらい 有意義だった」
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自民党の柴山 元文部科学大臣は、記者団に対し「ギリギリまで立憲民主党と日本維新の会にも理解してもらうために修正を続け、共産党も含めて賛成してもらい、有意義だった。財産保全のあり方について、3年を待たずに必要があればしっかり検討すると約束したので、法律の施行状況を与党としても見届けたい」と述べました。
立民 西村代表代行「直ちに財産保全のあり方の検討に入るべき」
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立憲民主党の西村代表代行は、記者団に対し「自民党の柴山氏が『課題が生じた場合は3年を待たずに検討に入る』と答弁したことをプラスに捉えている。旧統一教会には財産の散逸や隠匿のおそれがあると思っており、直ちに財産保全のあり方の検討に入るべきだ。国会の責任は法律を成立させて終わりではなく、これから新たなスタートになる」と述べました。
また、立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「いざ解散命令が出た場合に『教団にお金がありませんでした』では、政府・与党も相当、責任を問われる。決してこの修正案に満足だとは思わないが、これ以上譲歩は望めないので、じくじたる思いはあるが、限られた会期の中で結論を得るしかない。法案審議の舞台は参議院に移るが、財産保全について、さらなる譲歩を強く求めていく」と述べました。
維新 遠藤国対委員長「少しでも安心与えることできたのでは」
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日本維新の会の遠藤国会対策委員長は、記者団に対し「修正協議ではこちらの主張が100%入ることはほぼないが、被害者の救済につながれば『よし』と言えるのではないか。協議に携わった自民党議員には真摯(しんし)に向き合ってもらい、評価している。検討条項に『財産保全』ということばが入り、被害者に少しでも安心を与えることができたのではないか」と述べました。
公明 山口代表「幅広い合意形成できたことは大事な結果」
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公明党の山口代表は記者会見で「立憲民主党や日本維新の会の意見も聴きながら幅広い合意が形成できたことは国民の理解を得る上でも大事な結果だった。今の国会で成立を図ることが重要だ」と述べました。
国民民主 玉木代表「一定の合意点 高く評価」
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国民民主党の玉木代表は記者会見で「最終的には被害者救済が最優先課題で、政争の具にすべきではない。自民・公明・国民民主の3党の修正案に、最終的に立憲民主党や日本維新の会も賛同し、一定の合意点に至ったことは高く評価したい。被害者救済に向けて迅速な対応を行っていかなければならない」と述べました。
旧統一教会の被害者は
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母親が多額の献金をした60代の女性は、衆議院法務委員会を傍聴したあと、記者団に対し「教団財産の包括的な保全を目指していた立憲民主党などの法案が否決されたことは残念で、怒りを感じる。自民党などの修正案がダメということはないが、国が積極的に被害者を救済するものではなく、大変、不確かだと感じた」と話しました。
また、元妻が信者で、多額の献金被害を訴えている橋田達夫さんは、オンラインで取材に応じ、「財産保全の法案が可決されなかったことは、本当に残念でならない。もし旧統一教会による財産隠しが発覚すれば、もう一度、財産保全のための法案を審議してほしい」と話しました。