柔道「グランプリ大会」瀬戸が男子73キロ級弱視のクラスで優勝

視覚に障害のある人で競う柔道の国際大会が都内で行われ、東京パラリンピックで銅メダルを獲得した23歳の瀬戸勇次郎選手が男子73キロ級の弱視のクラスで優勝しました。

視覚に障害がある人たちで競う柔道の国際大会「グランプリ大会」は、パラリンピックや世界選手権に次ぐ格付けの大会で、4日から2日間、東京体育館を会場に日本では初めて開催されました。

大会は、来年のパリパラリンピックの出場枠獲得に関わる世界ランキングを決めるポイントを得られます。

瀬戸選手は、クラス分けのルールが変わった影響で、東京パラリンピックで銅メダルを獲得した66キロ級よりも7キロ重い、男子73キロ級の弱視のクラスに出場しました。

瀬戸選手は初戦の2回戦で、東京パラリンピックの金メダリストで、ウズベキスタンのフェルーズ・サイードフ選手と対戦し、序盤に技ありを奪われたものの、得意の背負い投げで技ありを2回奪って、逆転で一本勝ちしました。

その後も、一本勝ちを重ねて勝ち上がり、決勝は、国際大会で実績のあるカザフスタンの選手と対戦し、「大内刈り」などで攻め込んで最後は相手の反則負けで勝って優勝を果たしました。

このほか日本勢は、
▽女子48キロ級の全盲のクラスは、半谷静香選手が準優勝だったほか、
▽男子73キロ級の全盲のクラスの加藤裕司選手と
▽女子57キロ級、弱視のクラスのリオパラリンピック銅メダリスト、廣瀬順子選手、それに工藤博子選手の3人が、いずれも3位に入りました。

瀬戸勇次郎 “東京で優勝できてよかった パリで金を”

男子73キロ級の弱視のクラスで優勝した瀬戸勇次郎選手は「率直にうれしい。最近、国際大会で結果が出ない状態が続いていたので、東京で優勝できてよかった。自分の強みを生かせた」と喜びを話しました。

決勝では得意の背負い投げではなく、大内刈りで技ありを奪った場面については、「完全に背負い投げが警戒されていたので、後ろに倒す技をと思って足を出した」と説明しました。

来年のパリパラリンピックに向けては、「今回が東京だったから勝てたとならないように、しっかり成績を残したい。パリパラリンピックで金メダルを獲得できるように頑張りたい」と意気込みを示しました。