韓国 “人工衛星搭載の固体燃料ロケット 打ち上げ実験成功”

韓国国防省は、人工衛星を搭載した固体燃料ロケットの打ち上げ実験に成功したと発表しました。独自の打ち上げ技術を高め、北朝鮮に対する監視能力を強化する方針です。

韓国南部のチェジュ(済州)島沖で4日午後、去年12月以来、3回目となる固体燃料ロケットの打ち上げ実験が実施されました。

韓国国防省によりますと、民間の防衛産業企業が開発した小型の地球観測衛星が実際に搭載され、打ち上げは成功したということです。

韓国では同盟国アメリカと取り交わした指針によってロケットへの固体燃料の使用が制限されてきましたが、おととし指針が撤廃されました。

韓国は日本時間の2日、初の軍事偵察衛星をアメリカから宇宙開発企業スペースXのロケットで打ち上げましたが、独自の打ち上げ技術も高めて北朝鮮に対する監視能力を強化する方針です。

一方、韓国のチョ・テヨン(趙太庸)国家安保室長が3日、韓国の公共放送KBSの番組に出演し、北朝鮮が先月22日に発射に失敗した弾道ミサイルは、固体燃料式の中距離弾道ミサイルだったとの見方を明らかにしました。

北朝鮮は先月、新型の中距離弾道ミサイルに使う固体燃料式エンジンの燃焼実験を初めて実施したと発表していて、関係国が警戒を続けています。

北朝鮮 偵察衛星打ち上げに対する米の異なる対応を非難

北朝鮮の国家航空宇宙技術総局は4日、韓国と北朝鮮による、それぞれの偵察衛星の打ち上げに対するアメリカの対応が異なっているとして反発する報道官の談話を発表しました。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信を通じて発表された談話では、韓国初の軍事偵察衛星がアメリカから打ち上げられたことをあげて、「われわれに対しては制裁を科そうとするアメリカが、大韓民国のスパイ衛星を打ち上げる二重基準の行動を見せた」と非難しています。

そのうえで、「戦略的宇宙開発計画に沿って、アメリカと敵対勢力の軍事的動向を徹底的に監視できるよう、偵察能力を確保する重大任務を決行していく」として、国連安全保障理事会の決議違反だと非難されている偵察衛星の打ち上げを、今後も続ける姿勢を示しました。