イスラエル軍 ガザ南部への地上侵攻進める 人道状況の悪化懸念

パレスチナのガザ地区全域に対して爆撃を再開したイスラエル軍は、南部への地上侵攻を進めていて、地区での人道状況のさらなる悪化が懸念されます。

ガザ地区での軍事作戦を1日に再開したイスラエル軍は、残る人質の解放とイスラム組織ハマスの壊滅を目指すとして、地区の全域で激しい攻撃を続けています。

北部にある地区最大規模のジャバリア難民キャンプでは、2日に続いて空爆が行われ、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは100人以上が死亡したと伝えています。

イスラエル軍トップのハレビ参謀総長は3日、前日の2日朝から南部への地上侵攻を始めたことを明らかにしました。

イスラエル軍は攻撃に先立って、住民にさらに南に避難するようビラをまいたとしていますが、南部の中心都市ハンユニスでは激しい爆撃が行われていて、地元の病院には負傷した市民が次々と搬送されています。

ガザ地区の保健当局は、この3日間で確認された死者数は少なくとも316人にのぼり、戦闘開始から2か月近くの死者数は合わせて1万5523人だと発表しました。

一方、イスラエル軍は、3日、戦闘を始めた10月以降、ハマスが軍事目的に使っているとみられるトンネルを800か所以上発見し、このうちおよそ500か所を破壊したと発表しました。

発表に合わせてイスラエル軍は、モスクの中にあるトンネルの入り口だとする映像やガザ地区北部の学校のすぐ外に掘られ、四方がコンクリートで固められた縦穴の映像を、公開しました。

さらに住宅の前などの、土に覆われた地面にある複数の縦穴を写し、それらを爆破して破壊する様子を伝えました。

また、イスラエル軍は10月7日のイスラエルへの大規模な攻撃の指揮などをした司令官の1人を新たに殺害したと明らかにしました。

ガザ地区では劣悪な衛生環境により感染症の危険性も高まっていて、人道状況のさらなる悪化が懸念されます。