【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(12月4日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナのメディア “ロシア軍兵士 投降兵士を射殺した疑い”

ウクライナ空軍は4日、ロシア軍がイラン製の無人機23機や、ミサイルで攻撃を行い、このうち18機を撃墜したほか、ミサイルを迎撃したと発表し、本格的な冬を迎える中、ロシア軍が電力などインフラ施設を狙った空からの攻撃を続けています。

こうした中、ウクライナのメディアは2日、ロシア軍の兵士が戦闘中に投降しようとしたウクライナ軍の兵士を射殺した疑いがあるとして、上空から撮影されたとする映像とともに伝えました。

それによりますと戦地のざんごうから出て、両手をあげながらうつぶせになるなどして、降伏の意思を示したように見えるウクライナ軍の兵士とみられる2人に対し、周囲にいたロシア軍とみられる兵士たちが、銃撃するような様子が映像に写されているとしています。

これについて、ウクライナの検察当局は、3日「ロシアの軍服を着た集団が、捕虜として降伏したウクライナの軍服を着た兵士2人を至近距離から銃撃する様子が示されている。捕虜の殺害はジュネーブ条約に違反する重大な国際犯罪だ」として、捜査を始めたことを明らかにしました。

また、伝えられた場所について、激しい戦闘が続く東部ドネツク州のアウディーイウカの近郊とみられると指摘しました。

一方、ロシア側はコメントしていません。

ロシア軍による戦争犯罪の疑いをめぐっては、占領地からの子どもの連れ去りや、首都キーウ近郊のブチャを一時占拠していたロシア軍が撤退した後、400人以上の市民の遺体が確認されたことなど、ウクライナの検察や国際刑事裁判所が捜査を進めています。

ウクライナ政府高官「必要なのは武器、武器、武器だ」

こう着状態に陥っていると指摘される中、ウクライナ政府の高官がNHKの取材に応じ、欧米など各国に対し、改めて迅速な武器の支援を求めました。

ウクライナ軍は、ことし6月、東部や南部に大規模な部隊を展開し、反転攻勢を始めましたが、一方のロシア軍は防御陣地を固めて応戦し、ことし秋以降は一部の地域で攻勢を強めています。

ウクライナ政府や現地のメディアによりますと、3日には南部ヘルソン州でロシア軍が住宅地に攻撃を行い、複数のけが人が出ているということです。

こうした中、ウクライナ政府で安全保障政策を担当する国家安全保障・国防会議のダニロフ書記が首都キーウでNHKの単独インタビューに応じました。

ダニロフ書記は、こう着状態にあると指摘される反転攻勢の現状について「両軍とも主導権を握るのが難しく、攻防が行われているが、いずれウクライナ軍が優位に立つ」と述べ、戦況の好転に自信を示しました。

その上で、「我々に必要なものは、武器、武器、武器だ。武器の支援が遅れれば遅れるほど、我々の勝利も遅れる」と述べ、欧米など各国に対して、改めて武器の迅速な支援を訴えました。