東京 江東区長選告示 新人5人が立候補 前区長の辞職に伴い実施

区長の辞職にともなう東京 江東区の区長選挙は3日に告示され、新人5人が立候補しました。区長が公職選挙法違反の疑いで関係先の捜索を受けるなどして就任からおよそ半年で辞職する事態となり、区政をどう立て直すかなどをめぐって論戦が交わされる見通しです。

江東区長選挙に立候補したのは、届け出順に、いずれも無所属の新人で
▽自民党、公明党、国民民主党、地域政党の都民ファーストの会が推薦する元東京都政策担当部長の大久保朋果氏(52)
▽地域政党の自由を守る会が推薦する元江東区議会議員の三戸安弥氏(34)
▽元国税庁職員の猪野隆氏(58)
▽日本維新の会が推薦する医療法人理事長の小暮裕之氏(44)
▽立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党、地域政党の東京・生活者ネットワーク、政治団体の緑の党グリーンズジャパンが支持する元江東区議会議員の酒井菜摘氏(37)の5人です。

江東区では、ことし4月の区長選挙で初当選した木村弥生前区長の陣営が、選挙期間中に動画投稿サイトに投票を呼びかける有料広告を出していたとして、東京地検特捜部が公職選挙法違反の疑いで区長室などを捜索したほか木村氏も任意の事情聴取を受け、就任からおよそ半年で辞職しました。

選挙戦では混乱した区政の立て直しや子育て支援のあり方などをめぐり論戦が交わされる見通しです。

投票日は今月10日で、即日開票されます。

江東区とは

江東区は東京23区の東部にあり、人口は11月1日時点で53万9000余りです。昔ながらの商店街や中小の町工場がある地域と、タワーマンションが建ち並び若い世代も増えている豊洲地区などからなっています。

全国的に少子高齢化が進む一方で江東区では人口の増加が進み、2000年以降、16万以上増えています。こうした中、人口の増加に対応した政策の充実や子育て・教育環境の整備、臨海部の交通の利便性を高める街づくりなどが課題となっています。

前区長の辞職に伴う選挙 これまでの経緯は

木村前区長はことし4月の区長選挙で、4期16年務めた元区長の長男と激しい選挙戦を繰り広げ、「クリーンで開かれた区政」を訴えて初当選しました。しかし、選挙期間中に陣営がYouTubeに本人の姿や「木村やよいに投票してください」という文字を組み合わせた有料広告を出していたことが明らかになりました。

公職選挙法は、選挙期間中にインターネット上の有料広告で候補者名などを表示して選挙運動を行うことを禁じていて、東京地検特捜部はことし10月、公職選挙法違反の疑いで区役所の区長室などを捜索し、本人も任意で事情聴取を受けました。

そして、東京地検の捜索から2日後の10月26日、木村氏は「このあとも事情聴取など捜査が進む中で、新年度予算の編成など重要な区政を、これ以上、混乱・停滞させてはならないと考えた」と述べ、辞職届を提出しました。

これを受けて、前回の区長選挙から1年もたたないうちに再び選挙が行われることになりました。

ことし4月の江東区長選挙をめぐっては、木村氏を支援していた自民党の柿沢未途衆議院議員が有料広告の利用を勧めた責任をとりたいとして、10月末に法務副大臣を辞任し、11月には、江東区の地元事務所や秘書の自宅などがみずからによる公職選挙法違反の買収の疑いで東京地検特捜部の捜索を受けています。

柿沢議員は後援会の関係者に宛てた文書で、動画作成に関する違法性の認識や買収の意図を否定する見解を示しています。