ウクライナ国防相“戦いは計画どおり” ロシア軍 兵士17万増へ

ロシア軍がウクライナ東部で攻勢を強める中、ウクライナの国防相は「戦いは計画どおりに進んでいる」と強調し、反転攻勢の遅れに対する懸念を打ち消すねらいがあるとみられます。一方、ロシアのプーチン大統領はロシア軍の兵士を17万人増やす大統領令に署名し長期戦を見据えて兵力を増強する構えです。

ロシア軍がウクライナ東部のドネツク州やハルキウ州で攻勢を強める中、最前線を訪れたウクライナのウメロフ国防相は、2日にAP通信が配信したインタビューで「われわれの戦いは計画どおりに進んでいる」と強調しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は反転攻勢についてAP通信の別のインタビューで「早く結果を出したかったが、望んだ結果が得られなかった」と述べ「戦争は新たな局面を迎えている」として警戒を強めています。

ウメロフ国防相としては反転攻勢の遅れに対する懸念を打ち消すねらいがあるとみられます。

一方、ロシア大統領府は1日、ロシア軍の兵士を17万人増やし132万人規模とする大統領令にプーチン大統領が署名したと発表しました。

ロシア国防省は声明で「国民の動員は計画していない」と強調し、来年3月の大統領選挙を前に国内の混乱を引き起こしかねない新たな動員を避けながら、長期戦を見据えて兵力を増強する構えです。

イギリス国防省は2日、先月ロシア国内で兵士の妻たちが抗議デモを行ったと伝えられたことに触れ、ロシアの当局が世論の反発を抑えようと、兵士の家族への現金支給を増やそうとしたり、兵士の妻たちを支援するグループの信用を落とそうとしたりしていると指摘しました。

その上で「ロシアの当局は去年9月に動員された人々が1年以上、前線にいることへの抗議に特に敏感になっているようだ」と分析しています。