社会

新型コロナワクチンで感染者数や死者数大幅減か 京都大が試算

おととし、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まってから最初の10か月間で、ワクチンの効果によって感染者数や死者数が大幅に減少した可能性があるとする試算結果を京都大学の西浦博教授らのグループが発表しました。

この試算は京都大学の西浦博教授らのグループが国際的な科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表しました。

グループは、国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったおととし2月から11月までの10か月間について、感染者数や死亡者数などを数理モデルを使ってシミュレーションしました。

シミュレーションでは無症状感染などを含めた実際の感染者数が報告の4倍だったと想定し、人の移動状況のデータや変異ウイルスの性質、それにワクチンの接種状況などの要因を実際のデータに合致するよう数式化しました。

そして、この数式を使って仮にワクチンが無かった場合を試算すると、この期間の感染者数はおよそ6330万人、死者数がおよそ36万4000人に上るという計算結果になったということです。

実際には、感染者数の推計がおよそ470万人、死者数がおよそ1万人で、大幅に少なかったということです。

グループでは、ワクチン接種が進んだことで接種しなかった人も感染から守られる「集団免疫」の状態が生まれたことが効果を高める一因になったと分析しています。

西浦教授は「この手法を使うことで、将来的には、ワクチンの効果をリアルタイムに確認しながら接種を進める体制を作ることが期待できる」と話しました。

専門家 “間接的な効果大の可能性”

西浦教授らのグループが発表した試算結果について、数理モデルに詳しい東京学芸大学の稲葉寿特任教授は「ワクチンがなかった場合に感染状況がどうなっていたかを実際に観測することはできないが、数理モデルを使った今回の試算によって、ワクチンの間接的な効果が非常に大きなものだった可能性があることが分かる。人口レベルでのワクチンの効果をどう評価するかについては今のところ決まった手法が無いので、想定外の要因がないかなどは今後も検討し続ける必要がある」と話しています。

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