「サハリン日本人会」の総会 悪化する日ロ関係を懸念

戦前、日本が統治していた樺太、今のサハリンから帰国できずに現地に残った日本人などでつくる「サハリン日本人会」の総会が開かれ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以降、悪化する日ロ関係を懸念する声が聞かれました。

サハリンには戦後の混乱の中、さまざまな理由で帰国できずに現地に残った日本人、いわゆる残留邦人やその家族が暮らしていて、こうした人々でつくる「サハリン日本人会」の総会が2日、中心都市ユジノサハリンスクで開かれました。

はじめに加藤晃枝会長が、新型コロナウイルスの影響で中止されていた、残留邦人が日本に一時帰国する事業が再開していることを報告し、「日本にすでに帰国している親族と残留邦人が再会できるよう努力していく」とあいさつしました。

続いて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響で日本への直行便の運休が続く中、ことし一時帰国した人たちが、日本に向かうにあたって首都モスクワと中東を経由しなければならなかったと説明しました。

そして、ウクライナヘの軍事侵攻以降、制裁を科す日本とそれに反発するロシアとの関係が悪化していることについて、参加者からは懸念する声が聞かれました。

2人の姉が北海道に住んでいるという女性は、「日本とロシアの関係は悪化する一方なので状況がよくなることを期待しています。改善を期待していないと、より悲しくなってしまいます」と話していました。