NYダウ 約1年11か月ぶり 3万6000ドルを回復 FRB議長の講演受け

1日のニューヨーク株式市場はFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長の講演を受けて、利上げは終結したとの見方が強まって景気の先行きへの期待から買い注文が増え、ダウ平均株価はおよそ1年11か月ぶりに3万6000ドルを回復しました。

1日のニューヨーク株式市場ではFRBのパウエル議長がこの日の講演で「いつ金融緩和が行われるかを推測するのは時期尚早だ」としたうえで、「適切だと判断すればさらなる金融引き締めを行う用意がある」などと発言したものの、これまでの発言と比べて金融引き締めに積極的ではないとの受け止めが広がりました。

このため、利上げは終結したとの見方が強まり、景気の先行きへの期待から買い注文が増え、ダウ平均株価の終値は前日に比べて294ドル61セント高い3万6245ドル50セントと、およそ1年11か月ぶりに3万6000ドルを回復しました。

また、ニューヨーク外国為替市場ではアメリカの長期金利が低下したことを受けてドルを売って円を買う動きが強まり、円相場は1ドル=146円台後半まで値上がりしました。

市場関係者は「この日、発表されたアメリカの11月の製造業の景況感を示す指標が市場予想を下回ったことでインフレは長引かないとの観測が出たことも、株価の上昇につながった。FRBは早ければ来年の春にも利下げに転じるとの見方も強まっている」と話しています。