フィリピン 南シナ海の実効支配する離島に監視所 中国に対抗か

フィリピンの沿岸警備隊は、南シナ海にありフィリピンが実効支配する最大の離島で、レーダーなどの設備を備えた新たな監視所を完成させたと発表しました。周辺では中国も人工島を建設し、中国側が活発に活動を行っていて対抗するねらいがあるとみられます。

フィリピン沿岸警備隊が監視所を設けたのは、南シナ海の南沙諸島、英語名・スプラトリー諸島でフィリピンが実効支配する最大の離島のパグアサ島、英語名・ティトゥ島です。

フィリピン沿岸警備隊の発表によりますと、パグアサ島では1日、新たな監視所の完成を祝う式典が行われ、フィリピンの国家安全保障担当顧問のアニョ長官ら政府高官が参加したということです。

島の監視所は、おととしの台風で被災し損壊しましたが、新たに完成した監視所はレーダーや船舶追跡装置などを備え、中国側の活動の監視や、周辺で発生する海難事故などに対応するとしています。

パグアサ島の沖合およそ25キロにあるスビ礁では中国が8年前から人工島を建設し、軍事利用も可能な3000メートル級の滑走路や砲台などを設けていると指摘されていて、周辺で活発な活動を展開しています。

フィリピンとしては、中国に対抗するねらいがあるとみられます。