“戦闘再開後に178人死亡” ガザ地区の保健当局

イスラエル軍による軍事作戦が再開したガザ地区の保健当局は戦闘再開後、170人以上が死亡し、けが人は500人以上に上っているとしています。パレスチナ赤新月社は、ガザ地区への支援物資の搬入が滞っているとしていて、今後、人道状況のさらなる悪化が懸念されます。

イスラエル軍は、合意に基づく戦闘休止の期限が過ぎた現地時間の1日朝、ハマスへの軍事作戦の再開を発表し、南部のラファやハンユニスを含むガザ地区各地で、200以上の標的に対して攻撃を行ったと明らかにしました。

ガザ地区の保健当局は戦闘再開後、178人が死亡し、けが人は589人にのぼっているとしています。

ハマスの軍事部門カッサム旅団は、民間人への攻撃に対する報復として、ガザ地区との境界に近いイスラエル南部のスデロットなどに、ロケット弾による攻撃を行ったとSNSに投稿し、今後、戦闘が激しくなるおそれがあります。

こうした中、パレスチナ赤新月社は1日、イスラエル軍が、ガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所を通じた支援物資の搬入をできないようにしていると、SNSに投稿しました。

それによりますと、イスラエル軍はラファ検問所で活動するすべての団体に対して、支援物資を積んだトラックのエジプト側からガザ地区への通行を1日以降、「さらなる通知があるまで禁止すると通告した」ということです。

パレスチナ赤新月社は、支援物資の搬入の禁止は民間人の苦しみを悪化させ、人道支援を行う団体がより困難な課題に直面することになるとして、できるかぎり早く物資の搬入を認めるよう求めています。

OCHA=国連人道問題調整事務所のトップ、グリフィス事務次長は、1日声明を発表し、「ガザ地区の人々は逃げる場所がなく、病気と破壊、死に囲まれて暮らしている。支援物資の搬入を維持し、拡大するべきだ。人道的停戦が必要だ」と訴えました。

先月24日から7日間続いてきた戦闘休止が終わり、軍事作戦が再開されたことで、今後、ガザ地区の人道状況がさらに悪化することが懸念されます。