COP28 首脳級会合で国連事務総長“化石燃料の段階的な廃止を”

UAE=アラブ首長国連邦で開幕した気候変動対策を話し合う国連の会議、COP28では、日本時間の夕方、首脳級の会合が始まりました。
会合の冒頭で、国連のグテーレス事務総長は「地球は鼓動を失いかけているがまだ遅くはない」と述べ、すべての化石燃料の段階的な廃止で合意を目指すなど具体的な成果を出すよう各国の首脳に訴えました。

UAEのドバイで開かれているCOP28は2日目を迎え、岸田総理大臣など各国の首脳が参加して日本時間の1日午後5時ごろから首脳級の会合が始まりました。

冒頭、国連のグテーレス事務総長は「猛烈な火災や死に至る干ばつ、そして最も暑い1年など、地球は鼓動を失いかけている。まだ遅くはない。このCOPを将来の希望にしなければならない」と強調しました。

そのうえで「世界の気温の上昇を1.5度に抑えるためには、すべての化石燃料の利用を最終的にやめなければならない。削減でも抑制でもなく、段階的な廃止だ」と述べ、すべての化石燃料の段階的な廃止で合意を目指すなど具体的な成果を出すよう各国の首脳に訴えました。

2日間にわたる会合では、130を超える国や地域の首脳などが参加して演説を行うほか、世界全体の気候変動対策の進捗(しんちょく)を5年に1度、評価する「グローバル・ストックテイク」も予定され、対策の強化に向けて各国の首脳がどのような方針を打ち出すかが注目されています。

ヨルダン国王“ガザ地区の人道危機への対応も協議すべき”

ヨルダンのアブドラ国王は1日、COP28で行われている首脳級会合の演説でイスラエル・パレスチナ情勢に触れ「私たちの周りで起きている人道的な悲劇と気候変動を切り離して語ることはできないことを、これまで以上に認識しなければならない。私たちがこうしている間にも、パレスチナの人々の暮らしと命は差し迫った脅威に直面している。戦争による大規模な破壊は水と食料不足という環境上の脅威をさらに深刻にしている」と訴えました。

そのうえで「気候変動への対応について話し合うため、私たちはここに集まっているが、最も弱い立場の人たちについても話し合おう」と述べ、深刻化するガザ地区の人道危機への対応についてもCOP28で協議すべきだという考えを示しました。