全銀ネットのシステム障害 “BCPや訓練不足が背景に”

ことし10月に起きた大規模な送金システムの障害でシステムを運営する全銀ネット=「全国銀行資金決済ネットワーク」と開発事業者のNTTデータが調査結果を公表し、復旧までに2日かかったことについて大規模障害を想定したBCP=事業継続計画や訓練が十分でなかったことが背景にあったと結論づけました。

ことし10月に発生した金融機関どうしをつなぐ送金システムの障害は復旧するまでに2日かかり、550万件を超える振り込みの処理が遅れるなど利用者への影響が広がりました。

全銀ネットとNTTデータは金融庁の「報告徴求命令」に応じて原因と再発防止策をまとめた報告書を提出し、1日に記者会見を開いてその内容を公表しました。

この中で障害が発生した原因について基幹システムと各金融機関をつなぐ中継コンピューターを更新した際に、データが破損し、それに気付かずに作業を行ったためだったとし、プログラムを開発する段階で判断ミスがあったとしています。

さらに、2日にわたって復旧できなかったことについて大規模障害を想定したBCP=事業継続計画や訓練が十分でなかったことが背景にあったと結論づけ、再発防止の体制づくりを進めるとしています。

全銀ネット 辻理事長「責任は今後検討」

会見した全銀ネットの辻松雄 理事長は、自身の経営責任について問われ「この時点においては、何が原因なのか、アクシデントが起きないよう、再発防止策を取りまとめたところであり、責任はこれらをもとに今後検討していく」と述べました。

そのうえで「プログラムに残念ながら不具合があったが、『委託先への管理』という意味では私どもにも責任があると考えている。顧客にも大きなご迷惑をかけ責任を感じている」と述べました。

NTTデータ 佐々木社長「システム上の直接の原因 当社の責任」

記者会見に出席したNTTデータの佐々木裕 社長は「設計や製造、試験の工程プロセスに課題があった。復旧に向けた対応についても十分に全銀ネットと取り決めていなかったほか、暫定対処を行うに当たり、実現性についての検証が不十分なまま話を進めてしまった」と述べました。

そのうえで「システム上の直接の原因については当社の責任で、預金者、金融機関の皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げたい」と述べ、今後、関係者の処分について検討する考えを示しました。

鈴木金融相「実態把握や真因の分析進める」

鈴木金融担当大臣は閣議のあとの会見で、全銀ネットとNTTデータから報告書の提出を受けたことを明らかにしたうえで「実態把握や真因の分析を進める。こうした事案が繰り返されないことが重要だと考えている。報告内容を精査して今後については予断をもたずに適切に対応を検討していく」と述べました。