「1等米」の比率“猛暑影響で過去最低の可能性も” 農水省

記録的な猛暑の影響で、見た目の評価が最も高い「1等米」の比率が低下しています。全国の平均が、ことし10月末の時点で60%余りにとどまり、農林水産省は、調査が始まった平成16年以降、過去最低になる可能性もあるとしています。

コメの等級は法律にもとづいて形などの見た目をもとに4つの区分に分けられ、このうち最も見た目の評価が高い「1等米」は、JAなどによる買い取り価格が高くなる傾向にあります。

農林水産省の発表によりますと、ことしの1等米の比率は、10月末の時点で全国平均が61.3%と、去年の同じ時期を18ポイント余り下回りました。

各県別で見ると、米どころの新潟は15.7%と去年より60ポイント余りの落ち込みとなりました。

このほか山形が47.4%、秋田が58.2%、富山が58.1%と、それぞれ去年より20ポイント余りから40ポイント余りの落ち込みとなりました。

ことしの夏の記録的な猛暑などによる生育不良で、コメが白く濁ったり、割れたりしていることなどが主な原因です。

最終的な検査結果は、来年の秋に確定しますが、農林水産省は、このまま推移すると平成16年に調査を開始して以来、最も低かった平成22年産の62%を下回る可能性もあるとしています。

等級が落ちても味は変わらないことが多いとされていますが、買い取り価格に影響し、農家の収入の減少につながることが懸念されています。