日大アメフト部薬物事件 21歳男子部員に懲役1年6か月求刑

日本大学アメリカンフットボール部の薬物事件で、最初に逮捕された男子部員の初公判が開かれ、部員は起訴された内容を認め、薬物を使っていた部員について「10人程度だと思う」と述べました。検察は懲役1年6か月を求刑しました。

日本大学の3年生でアメリカンフットボール部に所属する北畠成文被告(21)はことし7月、学生寮で覚醒剤の成分が入った錠剤のかけらを麻薬と勘違いして持っていたとして、麻薬取締法違反の罪に問われています。

1日、東京地方裁判所で開かれた初公判で、部員は裁判官から起訴された内容について聞かれ、「間違いないです」と述べて認めました。

被告人質問の冒頭で、「アメフト部や大学の関係者に迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪し、経緯について、「高校3年の3月ごろ、友達とそういう話になって試したのがきっかけだ。SNSで買っていた。ことしは月に1回、多くても週2回程度使用し、去年は週4回くらい使っていた」と述べました。

部内で何人くらいが使用していたかと聞かれると、「10人程度だと思う」と答えました。

去年秋に大学から薬物についての聞き取り調査があり、「僕は吸っていないです」などとうそをついたことも明かし、事件が学内で発覚したことし7月の状況について、「大学の本部の人が寮に来て部屋をチェックし、薬物が入った缶が見つかった。副学長が持っていって、監督は『副学長に見つかってよかった』と話していた。副学長がもみ消すと思った」と話しました。

検察は「友人とアメフト部の寮の屋上などで使用していた」と述べ、「薬物の使用歴は短くない」として、懲役1年6か月を求刑しました。

弁護側は「カウンセリングに通うなど薬物を絶つ努力をしている」などと述べて、執行猶予付きの判決を求めました。

判決は来年1月9日に言い渡されます。

日大アメフト部の薬物事件ではこのほか2人が逮捕され、1人が書類送検されていて、大学は廃部にする方針を示しています。

また、一連の対応をめぐって学長と副学長の辞任が決まっています。