WMO「1年間の平均気温 過去最高か」産業革命前より約1.4度上昇

ことし10月末までの世界の平均気温は産業革命の前に比べておよそ1.4度上昇しており、1年間の平均気温が観測史上、最高になる見込みだとする予測を、WMO=世界気象機関がまとめました。

WMOは30日、UAE=アラブ首長国連邦のドバイで始まった国連の気候変動対策の会議「COP28」にあわせて、ことし1年間の世界の気象状況などについて暫定的にまとめた報告書を公表しました。

それによりますと、ことし10月末までの世界の平均気温は産業革命の前に比べておよそ1.4度上昇していることが分かったということです。

また、ことしの世界の平均気温は、観測史上、最も高くなる見込みだとしています。

このほか、報告書では、海の温暖化や氷河の融解なども進んだことから、2013年から10年間の海面上昇の速さが、1993年から10年間の2倍になっているとしています。

国連のグテーレス事務総長は報告書の公表にあわせたビデオメッセージで、「私たちは気温の上昇を抑え、最悪の混乱を避けるための計画を持っている。COP28では世界に号令をかけるリーダーが必要だ」と述べ、COP28での交渉の進展に期待を示しました。