宝塚歌劇団 阪急電鉄取締役が新理事長就任 本拠地での公演再開

宝塚歌劇団に所属する劇団員が死亡した問題で、理事長の辞任に伴い、1日付けで阪急電鉄の取締役が新しく理事長に就任し、本拠地「宝塚大劇場」での公演も再開されます。

一方、遺族側との協議や劇団員への聞き取りなどは続いていて、今後、組織風土の改善などにどのように取り組むのかが焦点となります。

宝塚歌劇団の宙組に所属していた25歳の劇団員はことし9月、兵庫県宝塚市で死亡しているのが見つかりました。

歌劇団は先月、いじめやパワハラは確認できなかったとする一方、長時間の活動などで強い心理的負荷がかかっていた可能性は否定できないとする調査報告書の内容を公表し、木場健之理事長が辞任する意向を明らかにしました。

これに伴い、阪急電鉄の取締役で、歌劇団の専務理事を務めていた村上浩爾氏(56)が1日付けで新しく理事長に就任します。

また、歌劇団の本拠地である兵庫県の「宝塚大劇場」では、劇団員が亡くなったあと延期となっていた公演が1日午後から再開されるということです。

一方、遺族側は「パワハラが否定されたままで合意解決することはありえない」として、過重労働やパワハラを認めた上で、謝罪と補償を行うよう求めています。

歌劇団側は現在、過密な稽古スケジュールや厳しい上下関係などの実態を把握するため、およそ400人の劇団員全員への聞き取りを進めていますが、今後、新たな理事長のもとで、遺族側への対応や組織風土の改善にどのように取り組むのかが焦点となります。