上月駐ロシア大使 離任前に会見「平和条約締結の方針堅持へ」

8年にわたりロシアに駐在し、平和条約交渉などに携わってきた上月大使は離任を前に開いた会見で、ウクライナ侵攻を続けるロシアを非難した一方で、日本として北方領土問題を解決し、平和条約を締結する方針を堅持していく考えだと強調しました。

2015年12月からロシアに駐在した上月豊久大使は離任を前に先月30日、モスクワで会見を開きました。

上月大使はロシアとの平和条約交渉などに携わってきた8年を振り返り、「前半は当時の安倍総理大臣のもとで、ロシアとの関係が発展した時期になった。それが後半はウクライナ侵略があり、大きな試練に立たされた」と述べました。

上月大使はウクライナ侵攻について、「国際秩序の根幹を揺るがす暴挙だ」と述べ、ロシアを非難し、先月29日、日本などを担当するルデンコ外務次官と会談した際も、制裁を続ける日本の対応は当然だと強調したと明らかにしました。

一方で、「日本とロシアが隣国であることには変わりはない。両国の人間的なつながりが、将来の関係を築く上で重要な基盤になる」と述べました。

そして、日本として北方領土問題を解決し、平和条約を締結する方針を堅持していく考えだと強調しました。

新しいロシア大使には外務省研修所長などをつとめた武藤顕氏が起用され、今月上旬に着任する予定です。