教員の実質的な時間外労働 月80時間超 “長時間労働が常態化”

小中学校や高校の教員の持ち帰り残業も含めて、実質的な時間外労働の平均が、いわゆる「過労死ライン」とされる月80時間を超えているとして、調査した教職員組合は長時間労働が常態化していると指摘しています。

調査は日本教職員組合がことし7月から8月にインターネット上で行い、小中学校や高校などの教員ら、合わせて5809人から回答を得ました。

この中で、1学期の平均的な1週間の勤務状況を尋ねたところ、持ち帰り残業を含めた実質的な時間外労働の平均は月当たりの換算で、
▽中学校で116時間28分と最も多く、
▽小学校で91時間8分、
▽高校で80時間16分と、
いわゆる「過労死ライン」とされる月80時間を超える状態が続いていることが分かりました。

一日当たりの平均休憩時間は12分余りで、小中学校では「0分」という回答が4割に上りました。

また、自宅への持ち帰り仕事の一日当たりの平均は、平日は44分、休日は1時間13分でした。

部活動については、
▽「休日の部活動には関わりたくない」という回答が中学校と高校で5割を超え、
▽地域移行に向けて国などが早急に進めるべきこととして、「指導者の確保」という回答がおよそ8割に上りました。

日本教職員組合の西嶋保子労働局長は「業務が削減されないまま勤務時間管理が進んで退勤時間を決められ、仕事を家に持ち帰っているとみられる。長時間労働が常態化し、コロナ禍で削減された業務も再び増えていて、命に関わる問題として、業務の削減と教員定数の改善に取り組む必要がある」と話しています。