NATO加盟国“ロの核威嚇のなか核抑止重要も核軍縮に取り組む”

核兵器禁止条約の2回目の締約国会議で、オブザーバーとして参加しているNATO=北大西洋条約機構の加盟国が発言し、ロシアが核による威嚇を続ける中で、現段階では核抑止力に頼らざるをえないとしながらも、条約の締約国とも対話を続け、核軍縮に取り組んでいくと強調しました。

ニューヨークの国連本部で開かれている核兵器禁止条約の第2回締約国会議では3日目の29日、オブザーバーとして参加しているNATO加盟国の一部が発言しました。

このうち、ドイツの代表は発言の冒頭、「核兵器のない安全な世界に向けた道を見つけるための、真剣で率直な議論を行いたい」と強調しました。

一方で、「あからさまに攻撃的なロシアと対じし、ドイツを含むNATO加盟国の多くにとって核抑止の重要性が高まっている」とも述べ、ロシアが核による威嚇を続ける中で、現段階では核抑止力に頼らざるをえない状況だと説明しました。

また、ノルウェーの代表は「われわれは世界の核軍縮を推進し、この分野での分断を防ぐため、すべての国と建設的な対話を求める」と述べました。

このほか、ベルギーの代表も「他の国の見解を聞くことに関心を持ち続け、互いの努力が核兵器のない世界にどのようにつながっていくのか、検討する用意がある」と述べ、条約の締約国とも対話を続け、核軍縮に取り組んでいくと強調しました。

広島 松井市長「日本はオブザーバー参加を」

核兵器禁止条約の第2回締約国会議で、29日にスピーチした広島市の松井市長と長崎市の鈴木市長がニューヨークの国連本部で記者団の取材に応じました。

この中で両市長は、オブザーバーとして参加しているオーストラリアの関係者と意見交換したとしたうえで、広島市の松井市長は「オーストラリアは現時点では条約を批准できないが、将来を見据えながら研究や調査を深めるためにオブザーバーとして参加したという説明だった。核保有国と非保有国の橋渡しをやって行く上で一つのやり方であることは間違いないので、日本政府には引き続き、オブザーバー参加を求めていきたい」と述べました。

長崎 鈴木市長「日本のオブザーバー参加 模索していいのでは」

また、長崎市の鈴木市長は「オーストラリアは今後、核兵器禁止条約にどういうスタンスをとっていくか、判断材料を集めるために参加しているということだった。オブザーバー参加の仕方もいろいろな形がある。各国の参加の仕方をみながら、日本は日本なりのオブザーバー参加の形を模索してもいいのではないか」と話していました。