国連安保理 “ガザ地区 戦闘休止のさらなる延長を”意見相次ぐ

国連の安全保障理事会で閣僚級の会合が開かれ、イスラエルとイスラム組織ハマスによるガザ地区での戦闘休止について、各国からは、期間のさらなる延長が必要だと訴える意見が相次ぎました。

中東情勢をめぐって29日に開かれた国連安保理の閣僚級会合は、中国の王毅外相が議長を務め、日本からは中東和平担当特使の上村政府代表が出席しました。

はじめに国連のグテーレス事務総長が「真の人道的な停戦が必要だ。国連決議に基づいてイスラエルとパレスチナの2国家共存による解決を目指さなければならない。それに失敗すれば、この地域と世界は終わりのない死と破壊の連鎖に陥るだろう」と述べ、強い危機感を示しました。

このあと各国からは、ガザ地区での戦闘休止をめぐるエジプトやカタールなど関係国の仲介を歓迎する一方で、戦闘休止期間のさらなる延長が必要だと訴える意見が相次ぎました。

議長を務めた中国の王毅外相は「この数日間が永続的な停戦に向けた外交の始まりになることを強く望む。われわれは国際社会に対し、包括的で永続的な停戦を最優先課題にするよう訴える」と述べ、即時停戦が必要だという考えを改めて強調しました。

一方、イスラエルのエルダン国連大使は「状況を改善する唯一の方法は、ハマスのテロ能力の根絶を目指すイスラエルを支援することだ」と述べ、戦闘休止の期間が終わればハマスに対する軍事作戦を再開するという立場を改めて示しました。

「日本は中東に未来を作っていく役に立ちたい」

安保理会合のあと、日本の上村政府代表は記者団に対し「現在の戦闘休止は、将来につながる重要なステップととらえるべきで、今の状況が長く続くことを期待するという思いを会合では示した。どんなことばを使おうとも基本的にはどの国も同じような立場だったと理解している」と述べ、会合に参加した各国とも戦闘休止期間の延長が必要だと訴えたという認識を示しました。

また、会場で、中東各国の外相や各国の外務省幹部らと意見を交わしたとしたうえで「人道的な危機を乗り切った後、いかなる国際的な取り組みが行われることになろうとも、日本はその一部に参加して中東に未来を作っていく役に立ちたいということを各国に伝えた」と述べました。