FRB 最新の経済報告公表 経済活動減速で景気判断を下方修正

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は最新の経済報告を公表し、経済活動は減速したとして景気判断を下方修正しました。

FRBは29日、全米12の地区連銀が各地域の企業への聞き取りなどをもとにまとめた最新の経済報告を公表しました。

それによりますと、経済活動は全体として前回10月の報告と比べ減速したとしています。

FRBは前回、緩やかな経済成長が続いているとしてきましたが今回、景気判断を下方修正しました。

また労働市場では、大半の地区で求職者が増えたと報告されるなどインフレの要因となっている人手不足の改善傾向が続いているという見方を示しました。

さらに物価は依然として高止まりしているものの上昇傾向は各地区で緩やかになっていると指摘しています。

FRBは記録的なインフレを抑えこむため去年3月以降、利上げなどの金融引き締めを続けてきましたが11月に入って雇用や物価などインフレの低下を示す経済指標が相次ぎ、今回の経済報告でも景気判断が下方修正されました。

市場ではFRBが12月に開く会合でも利上げを見送り、来年には利下げに転じるという観測が広がっていますが、パウエル議長が12月1日に参加するイベントで金融政策の方向性を示唆する発言を行うかどうか注目されています。