ロシア 東部で攻勢強める ゼレンスキー大統領は輸出継続を協議

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、東部ドネツク州で新たに集落を掌握したと主張し、東部では兵士の犠牲をいとわず攻勢を強めているとみられます。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、黒海に面した南部オデーサ州を訪れ、農産物などの輸出継続に向けた対策を協議しました。

ロシア国防省は29日、東部ドネツク州のバフムトに近い集落を新たに掌握したと主張しました。

ドネツク州でロシア軍は、バフムトの南にあるアウディーイウカに向けても部隊を進めている模様で、1日あたりのロシア兵の死傷者が900人を超えていると指摘されるなど、多くの犠牲を出しながら攻勢を強めているとみられます。

こうした中、ウクライナ大統領府は29日、ゼレンスキー大統領が南部オデーサ州を視察し、現地の軍の司令官らと戦況などについて話し合ったと発表しました。

ロシアがことし7月に農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止したあと、オデーサ州の港湾インフラなどへの攻撃を繰り返してきたのに対して、ウクライナは、ロシア軍の艦船などを攻撃するとともに、黒海で臨時の航路を設けて農産物などの輸出を続けています。

ウクライナ大統領府によりますとこの日の会議では防空能力の強化や、黒海で船舶の航行を脅かしている機雷対策などについて話し合われたということで、ゼレンスキー大統領としては、農産物などの安定的な輸出を続けるために欧米の支援を得ながら黒海の安全を確保したい考えです。