米 オスプレイ墜落事故 乗員7人の捜索を継続【30日詳細】

29日、アメリカ空軍の輸送機オスプレイが鹿児島県の屋久島沖で墜落した事故で、第10管区海上保安本部は30日も夜通しで、残る乗員7人の捜索を続けることにしています。

また、木原防衛大臣は在日アメリカ軍のトップと会談し、日本国内のすべてのオスプレイについて捜索や救助活動を除き、安全が確認されてから飛行を行うよう要請しました。

最新の動きを随時更新してお伝えしています。

木原防衛相 米軍司令官に飛行停止を要請

木原防衛大臣は30日午後、防衛省で在日アメリカ軍のラップ司令官と会談し、終了後、記者団の取材に応じました。

この中で木原大臣は「今回の事故で亡くなった人にお悔やみを申し上げる。人命救助が最優先であり、自衛隊や海上保安庁、漁業関係者などが引き続き、全力で捜索救難活動にあたっている」と述べました。

その上で、「わが国で活動するオスプレイの飛行については、捜索救助活動を除き、安全を確認してから飛行するよう要請した。また、早期の情報提供も求めた」と述べました。

これに対し、ラップ司令官は自衛隊などの支援に謝意を示した上で、「アメリカにとってアメリカ人と日本国民の安全が最優先事項だ」と述べましたが、日本側の要請に対する具体的な対応は明言しませんでした。

ソナーで海中を捜索

海上保安本部によりますと、墜落した現場周辺の海域は水深およそ30メートルで、30日は巡視艇が海底に向けて音波を出してその反射で海底の様子を確認できる「サイドスキャンソナー」を使って、海中の捜索活動をおこなったということです。合わせて、データの解析も進めているとみられます。

また、29日に見つかった男性は墜落したオスプレイの乗員と確認され、海上保安本部によりますと、30日午後、種子島空港でアメリカ軍関係者に遺体が引き渡されたということです。

機体の残骸とみられるものを回収

屋久島漁協の10隻ほどが午前11時から午後4時ごろまで捜索を行い、残骸を回収しました。

屋久島の安房港にはオスプレイの機体の残骸とみられるもののほか、カバンやリュックなどを回収した船が帰港し、港におろされていました。

捜索に参加した漁師の川東守昭さんは「海上には回収不能な巨大な物体やタンクもありました。人が見つかったという話は聞いてないです」と話していました。

同じく捜索に参加した釣り船の船長の林岳信さんは、オスプレイが墜落したと見られる現場から南西におよそ20キロの地点で残骸を回収したということです。

林さんは「沖の方から捜索して回ったところ、潮目のところで大きな残骸をひとつと、その周辺にあったものを見つけて回収した。きょうは潮の流れがとても速かったので、現場から潮と風にのって流されたのだろう。カバンなども見つかり、誰か生き残ってるかもしれないと思って捜索したが、見つけることはできなかった」と話していました。

防衛省 残骸の取り扱いは決まっていない

アメリカ軍の事故で日本側が機体の検証などを行う場合は、日米地位協定などに基づき、アメリカ側の同意が必要ですが、防衛省は今回引き上げられた残骸などの取り扱いについては決まっていることはないとしています。

屋久島から3キロの海上で残骸

防衛省によりますと、29日午後2時40分ごろ、屋久島の沖合で自衛隊のレーダーからオスプレイの航跡が消えました。

第10管区海上保安本部によりますと、島の東側にある安房港の北北東およそ3キロの海上で機体とみられる灰色の多数の残骸が発見されたほか、ほぼ同じ海域で男性1人が見つかりました。男性はその後死亡が確認されました。

統合幕僚長「捜索救助活動に万全を期していく」

自衛隊制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は30日の記者会見で、「亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げたい。アメリカ軍は日本の防衛のために日夜さまざまな厳しい訓練などを行っている。まだ7名の要救助者がいるので、早期に発見できるよう、総力を挙げて捜索救助活動に万全を期していく」と述べました。

墜落機 岩国から嘉手納に向かう途中

防衛省は、墜落したオスプレイは山口県の岩国基地から沖縄県の嘉手納基地に向かう途中だったことを30日、明らかにしました。

防衛省関係者によりますと、オスプレイは29日午後2時15分ごろ、岩国基地を離陸し、ほかのオスプレイも含めて合わせて3機で、沖縄県の嘉手納基地に向かっていたという情報があるということです。

国内配備のオスプレイ 計44機

防衛省によりますと、国内に配備されているオスプレイは29日時点で
▼アメリカ空軍が6機
▼アメリカ海兵隊が24機
▼陸上自衛隊が14機
の合わせて44機だということです。

配備場所は
▼空軍が東京の横田基地
▼海兵隊が沖縄県の普天間基地
▼陸上自衛隊が千葉県の木更津駐屯地 です。

このうち木更津駐屯地の14機は暫定的に配備されていて、再来年、佐賀県に新たに開設される陸上自衛隊の駐屯地に移転する計画になっています。

アメリカ軍のオスプレイは日本各地で訓練を行っていて、アメリカ空軍特殊作戦司令部は29日に出した声明で、墜落した機体は鹿児島県屋久島沖で通常の訓練を行っていたと明らかにしました。

飛行中に計器に異常などが起きて、民間機が利用する空港に緊急着陸するケースも相次いでいて、先月は鹿児島県の徳之島空港に、ことし9月には大分空港などに緊急着陸しています。

また、日本に配備されているオスプレイとは別に、アメリカ本土などから嘉手納基地などに一時的に展開してくる機体もあるということです。

一時的な展開については日本への告知義務はないため、防衛省は30日現在、何機のオスプレイが日本にいるかは把握していないとしています。

陸上自衛隊 オスプレイ14機を点検

今回の事故を受けて陸上自衛隊は、木更津駐屯地に暫定的に配備しているオスプレイ14機について、当面、飛行を見合わせるとともに安全性を確認するため機体の点検を行っています。

具体的にはエンジンやローター、操縦系統などの部分に異常がないか目視で確認したり作動させたりして点検しているということです。飛行再開の時期については、機体の点検結果や今回の事故原因などを総合的に判断して決めるとして、現時点で見通しは示していません。

陸上自衛隊トップの森下泰臣陸上幕僚長は30日の記者会見で、「安全性を確認するために飛行を見合わせたもので、配備は計画通りに進めていく。地元の懸念の声を真摯に受け止め、理解を得ながら、安全な運用や信頼回復に努めていく」と述べました。

木原防衛大臣 安全確認後に飛行するよう要請

木原防衛大臣は30日午前の参議院外交防衛委員会で、アメリカ空軍のオスプレイの事故について墜落と説明があったとした上で、アメリカ側に対し、捜索や救助活動を除き、安全が確認されてから飛行を行うよう要請したことを明らかにしました。

この中で、木原防衛大臣は「アメリカ空軍横田基地のCV22オスプレイ1機が墜落した。アメリカ側からは、きのう『不時着水』と説明を受けていたが、その後『墜落=クラッシュ』という表現で説明があった」と述べました。

その上で「アメリカ側に対しては、国内に配備されたオスプレイについて捜索救助活動を除き、安全が確認されてから飛行を行うよう要請するとともに、事故の状況等について早期の情報提供を求めている」と述べ、アメリカ海兵隊に配備されている同型機も含めて捜索や救助活動を除き、安全が確認されてからオスプレイの飛行を行うよう要請したことを明らかにしました。

松野官房長官「事故は誠に遺憾」

松野官房長官は午前の記者会見で「このような事故は地域に大きな不安を与えるもので誠に遺憾であり、陸上自衛隊のオスプレイも当面の間は飛行を見合わせる」と述べました。

事故原因の調査については「防衛省がアメリカ軍の調査の状況を確認するなど、アメリカ側と緊密に連携して取り組んでいく」と述べました。

一方、陸上自衛隊のオスプレイの佐賀空港への配備計画については、「喫緊の課題である島しょ防衛能力の構築のため、早期に佐賀駐屯地を開設する必要がある。今回の事故を受けた地元の懸念の声も真摯に受け止めつつ取り組んでいきたい」と述べました。

沖縄 30日もオスプレイ飛行

沖縄県宜野湾市のアメリカ軍普天間基地では、30日午前11時ごろ海兵隊の「MV22オスプレイ」1機が離陸する様子が確認されました。また、午前11時10分ごろには2機目が離陸していました。

宜野湾市の松川正則市長は沖縄防衛局の伊藤晋哉局長と面会し、「普天間基地ではオスプレイが配備され、連日、訓練が行われている。今回の事故を受けて市民の不安が非常に高まっている」と述べました。その上で、原因が明らかになるまでMV22オスプレイの飛行を停止することや、普天間基地の機体を点検し安全管理を徹底することなどを要請しました。

これに対し、伊藤局長は「地域の方々に大きな不安になるもので事故は誠に遺憾だ」などと述べて、防衛省からアメリカ側に対し、捜索や救助活動を除き、安全が確認されてから飛行を行うよう求めたと説明しました。

また、アメリカ軍嘉手納基地がある嘉手納町の當山宏町長はNHKの取材に対し、「CV22は嘉手納基地にもたびたび飛来して訓練を行っている。今回の事故はあってはならないもので、町民も大きな不安を抱いていると思う」と述べました。

その上で、「搭乗員の救助作業を最優先にしてもらい、その後は、事故原因が解明されて安全対策が確実に行われるまでの間、オスプレイの飛行を停止してもらいたい」と述べました。

専門家「エンジンの整備不良や修理点検に問題があったのでは」

安全保障問題に詳しい拓殖大学の佐藤丙午教授は、「エンジンから火が出ていたという目撃情報があるが、これまであまりなかった事故ではないか。エンジンの整備不良や修理点検に問題があったのではないか。さまざまな特殊作戦で使われていた機体だと聞いており、どこかで部品自体が使用限度を超えていて、そこがトラブルを起こしたと考えられる」と話しています。

その上で、アメリカ軍の戦略の変化の中で、南西諸島を中心に高速で長距離を輸送できるオスプレイの運用が増えていると指摘した上で、「アメリカ軍のオペレーションが奄美など南西諸島に広がっている中で、オスプレイの運航頻度が高まるのも当然だ。オペレーションにおいて万全ということはなく、事故が起きる頻度をいかに下げていくか努力が求められる」と話しています。

また、今後の捜索活動や機体の回収については、「秘密の塊なので日米地位協定のもとで米軍が機体の回収にあたることが予想される。ただ、自衛隊もオスプレイを配備していることから、機体の回収などを米軍主導で行ったとしてもフィードバックは求めるべきだ」と話していました。

小野寺元防衛大臣「機体に不備があることも予想される落下」

自民党本部で30日午前開かれた国防部会などの合同会議で、安全保障調査会長を務める小野寺・元防衛大臣は「目撃状況などをみると、単なる操縦の状況ではなく、何か機体に不備がある、そのようなことも予想されるような落下の仕方だと見ている」と述べました。

空軍オスプレイ事故率 海兵隊より高い

防衛省によりますと、アメリカ空軍のオスプレイは乗員が死亡するなどした重大事故の発生率が、海兵隊のオスプレイより高くなっています。

アメリカ軍は、航空機の飛行時間10万時間あたりの事故件数を「事故率」として示しています。このうち、乗員が死亡したり機体が大破したりした最も重大な「クラスA」の事故率は2021年9月末時点で、空軍の「CV22オスプレイ」が6.0だったのに対し、海兵隊の「MV22オスプレイ」は2.05でした。アメリカ軍全体の事故率の平均はないということです。

空軍のオスプレイは、主に特殊部隊の輸送に使われ、訓練も相手に見つかりにくいよう夜間や低空の飛行など厳しい環境下で行われることがあります。

2010年にはアフガニスタンでの作戦中に着陸に失敗して、兵士4人が死亡する事故が起きたほか、2012年にはアメリカ・フロリダ州で訓練中に5人が負傷する墜落事故が起きています。

防衛省は「アメリカ空軍のオスプレイは飛行時間がまだ少ないことから、海兵隊のオスプレイに比べて事故率が高くなっている」としています。

防衛省 「不時着水」→「墜落」に変更

今回の事故について防衛省は29日、アメリカ側からの説明をもとに「不時着水」としていましたが、その後、アメリカ側からの説明をもとに「墜落」に変更しました。

防衛省は「パイロットが機体をコントロールできない状態だったことを意味している」としています。一方で、当時の機体の状況など詳細については現時点で明らかにできないとしています。国内でオスプレイの死亡事故が起きたのは初めてです。

防衛省は、松本政務官を現地に派遣することも発表しました。30日午後、屋久島町役場や地元の漁業協同組合を訪れて、これまでに防衛省側に入っている情報を説明するほか、鹿児島県庁で塩田知事と面会することにしています。

米軍オスプレイ 墜落情報 1人死亡

第10管区海上保安本部によりますと、29日午後2時47分ごろ、鹿児島県の屋久島沖で「オスプレイが墜落した」という通報があり、島の東側にある安房港の北北東およそ3キロの海上で機体とみられる灰色の多数の残骸が見つかりました。

オスプレイは東京のアメリカ軍横田基地に所属するCV22オスプレイで、防衛省によりますと29日午後2時40分ごろ鹿児島県の屋久島の沖合で自衛隊のレーダーから航跡が消えたということです。

CV22オスプレイ

その後、乗っていたとみられる男性1人が見つかり、海上保安官が救助しましたが死亡が確認されました。

この事故で第10管区海上保安本部は、オスプレイの乗組員を6人と発表していましたが、関係機関からの情報を受けて、乗っていたのは8人と訂正しました。

海上保安本部によりますと、付近の海上で見つかった救命いかだに人が乗っていた形跡は確認されなかったということです。

米軍 「通常の訓練中に事故に巻き込まれた」

アメリカ空軍はNHKの取材に対し「オスプレイは通常の訓練中に事故に巻き込まれた。乗組員の状況は現時点ではわかっていない。軍の救急要員が現場で捜索と救助活動にあたっている。事故の原因は現時点ではわかっていない」とコメントしています。

救助にあたった男性 “残骸が複数浮かんでいた”

屋久島の近くで釣りをしていて、漁船で現場に駆けつけた地元の若松誠一さんが救助にあたった当時の状況を話しました。

29日、知人2人と釣りをしていたところ、無線でオスプレイが墜落したことを知り、漁船で現場の海域に駆けつけました。若松さんが到着した際は、海上に機体の一部とみられる残骸が複数、浮かんでいて、その近くで乗組員とみられる男性がうつ伏せで浮かんでいるのを見つけ、体が流されないようロープで船とつないで、海上保安庁に連絡したということです。

若松さんは「30歳にも満たないような若い男性で、肌も白く外国人だとすぐに分かった。蘇生を試みたが反応はなく、海上保安庁の隊員と一緒に船に引き上げて港まで運んだ」と当時の状況を話しました。

そのうえで「満ち潮だと流されて行方不明になってしまうので、ほかの乗組員も早く見つけてほしい。これまでオスプレイを見たこともなかったので、まさか屋久島でこんな事故が起きるとは思ってもみなかった」と話していました。

通報者「プロペラが飛ぶのが見えた」

屋久島空港から南東におよそ1キロの場所にある磯で釣りをしていた平田耕作さんは、29日午後2時40分ごろ、オスプレイの墜落を目撃し警察に通報しました。

平田さんは「釣り道具を片づけているとオスプレイが見えました。飛行機と同じコースで降下を始めて緊急着陸かと思ったらひっくり返ってしまい、左側のエンジンから火が出て爆発しました。爆発した瞬間に落ちていき、プロペラが種子島の方に飛ぶのが見えました。すごい音と真っ黒な煙でした。1、2分ぼう然としてから、屋久島警察署に通報すると、警察も知らなかったようで場所を案内しました」と話していました。

近くの住民「火を噴きながらまっすぐ落下」

オスプレイが墜落した現場海域に近い、屋久島町小瀬田の70代の女性は「ヘリコプターの音がいつもと異なりベランダに出て見ると、機体から火が見えて旋回しているような感じでした。プロペラか何かが分解したような感じで、火を噴きながらまっすぐ落ちていきました。びっくりして恐ろしかったです」と話していました。

また、同じ地区に住む50代の男性は「空港の沖合を見ると、左側のエンジンからオレンジ色の炎を出しているオスプレイが見えて、それと同時に2回転ぐらい旋回して背面のまま落下していきました。そのあと、ドーンという音がして黒煙があがり地響きもしました。海上にはオレンジ色の救命いかだと破片らしきものが4つぐらいあり、それを見て海上保安庁に通報しました」と話していました。

目撃の漁師 海上に機体の残骸のようなもの

屋久島町の漁師、伊藤佳代さんは、シマアジの漁をしている際、事故を目撃し、現場に駆けつけて捜索に参加しました。このときの現場の様子をスマートフォンで撮影していました。

29日午後3時ごろに撮影された動画では、海上に複数の機体の残骸のようなものが浮かんでいるほか、その近くにオレンジ色の救命いかだも確認できます。

伊藤さんは「屋久島空港に向かってオスプレイが飛んでいるのを見ていたら、機体が1回か2回、回転し、オレンジの光が出てそのあと10秒ぐらいで海面に落ちた。水柱がすごくて高さ50メートルから100メートルまで上がった。私たちの漁場から3キロぐらいの場所だった。現場近くに向かうと、青白い感じの油が浮いていた」と話していました。

また、伊藤さんと同じ漁船に乗っていて事故を目撃した漁師の中島正道さんは「オレンジの火の玉がパンと出て、それからしばらくしてドンという音がした。現場に駆けつけると、大小の破片が浮いていて、油のにおいがすごかった。助けないといけないと思い、現場周辺をぐるぐると捜索した」と話していました。

政府 オスプレイ飛行停止の要求含め対応検討を急ぐ

岸田総理大臣は29日夜、事故を受けた対応について「まずは人命救助に全力を尽くす。アメリカ軍にも協力してもらい、事故の実態を確認した上で、何が必要で何が求められるのか考える」と述べました。

関係者によりますと日本政府は、アメリカ側にオスプレイの飛行の一時停止を求めることも含め対応の検討を急いでいるということです。政府としては、事故に至るまでの経緯や詳しい状況などアメリカ側の説明も踏まえて最終判断することにしています。

海上保安本部 捜索にあたる巡視船の映像公開

第10管区海上保安本部は、現場海域の捜索にあたっている巡視船「たかちほ」が29日午後5時ごろに撮影した1分ほどの映像を公開しました。

映像ではオレンジ色の救命いかだが海上に浮かんでいる様子や、巡視船の乗組員1人が乗り込んで中を調べる様子が写されています。

また「U.S.A」という文字や、「20人乗りの救命いかだ」を意味する英語などが記載された袋も写されています。

第10管区海上保安本部によりますと、人が乗っていた形跡は確認されなかったということです。

◆鹿児島 米軍用機の民間空港への着陸数 全国最多

鹿児島県では離島を中心に近年、オスプレイなどアメリカの軍用機が着陸する回数が多くなっています。

去年はアメリカの軍用機の屋久島空港への着陸は確認されていませんが
▽奄美空港では50回
▽種子島空港では49回
▽与論空港では12回と、
鹿児島県内の民間空港への着陸回数はあわせて111回に上っていて、国土交通省が統計を明らかにした過去10年で最も多くなっています。この合計数は民間空港への着陸数を都道府県別に比べて最も多い数です。

アメリカ軍のオスプレイの飛来はことしに入ってからも相次いでいて、9月には飛行中に警告灯が表示されたため奄美空港に予防着陸したほか、10月にも同様の理由で徳之島空港に緊急着陸しています。

記念行事での飛行中止に 佐賀県知事「当然の判断」

防衛省の大和地方協力局長は陸上自衛隊に配備されているオスプレイについても当面、飛行を見あわせる考えを示しましたが、佐賀県の山口知事は30日県庁で報道陣に対し、12月3日の創立記念行事にあわせて吉野ヶ里町の目達原駐屯地で予定されていたオスプレイのデモフライトを見送ると、九州防衛局から連絡があったことを明らかにしました。

その上で山口知事は「飛行は慎重であるべきで、中止するのは当然の判断だ。防衛省は早い段階で判断したと思う。安全性に関しては、ひとつひとつ丁寧に対応することが大事だ」と述べました。

陸上自衛隊のオスプレイは、12月3日の記念行事に向けて29日に1機が目達原駐屯地周辺で飛行訓練を行ったものの、墜落事故を受けて30日の飛行訓練は中止となっていました。