自民派閥“パーティー券ノルマ超分を議員側に”リスト作成

自民党の派閥の政治資金をめぐる問題で、一部の派閥が、所属する議員ごとにパーティー券の販売ノルマを設定し、ノルマを超えた分の収入を議員側に戻していたことを示すリストを作成していたとが複数の関係者への取材で新たに分かりました。一部の派閥では、実際に集めたパーティー収入の総額と収支報告書の記載に食い違いがあるということです。

自民党の派閥の政治資金をめぐっては
▽「清和政策研究会」安倍派
▽「志帥会」二階派
▽「平成研究会」茂木派
▽「志公会」麻生派
▽「宏池政策研究会」岸田派が、
おととしまでの4年間の収支報告書にそれぞれが主催した政治資金パーティーに20万円を超える支出をした団体の名前や金額など合わせておよそ4000万円分を記載していなかったなどとして、政治資金規正法違反の疑いでの告発状が東京地方検察庁に提出されています。

この問題で、一部の派閥が、所属する議員の役職や当選回数などに応じてパーティー券の販売ノルマを設定し、ノルマを超えて販売した分の収入を議員側に戻していたことを示すリストを作成していたことが複数の関係者への取材で新たに分かりました。

一部の派閥の政治団体は、実際に集めたパーティー収入の総額と収支報告書の記載に食い違いがあるということです。

政治資金規正法は政治資金パーティーを主催した団体が収入の総額を収支報告書に記載することを義務づけています。

自民党の派閥の政治資金をめぐる問題で、東京地検特捜部は派閥の会計責任者などから任意で事情を聴いていて、資金の流れや収支報告書が作成された経緯などについて調べを進めているものとみられます。

自民 関係者「ノルマ超えの収入は慣習としてキックバック」

自民党の派閥の政治資金パーティーについて自民党の関係者がNHKの取材に応じ「議員ごとにパーティー券の販売ノルマが決まっていて、ノルマを超えた分の収入は、慣習として議員側にキックバックされていた」と証言しました。

この関係者によりますと、派閥のパーティーは年に1度のペースで行われ、多い派閥では数千人程規模の支援者などが一堂に集うということです。

パーティーに参加するには1枚2万円程度のパーティー券を購入する必要がありますが、パーティー券は派閥に所属する議員ごとに販売する枚数のノルマが決められていたということです。

このノルマについて「若い議員は枚数が少なく、派閥で役職がある議員や大臣経験者などはノルマが多い傾向があり、多い議員では300枚程度あると聞いたことがある」と話しています。

さらにノルマを超えて販売した分の収入は、慣習として議員側に還元される仕組みになっていたと証言しました。

この関係者は「ノルマ分を販売してそこから足が出た部分は議員の事務所にキックバックとして返ってくるという認識があったので、パーティー券を売る能力にたけている議員はノルマ以上に頑張って販売していたと思う。議員にとってパーティー券を売ることは派閥に対する力の見せ所でもあり、評価をされながら自分の事務所も潤うというのは大きなメリットになっていた」と話しました。