東京 昭島の中1女子自殺 “いじめと因果関係あった”第三者委

6年前、東京 昭島市で当時、中学1年生だった女子生徒が自殺したことをめぐり、市に設置された第三者委員会が調査報告書を公表しました。同級生数人がSNS上に女子生徒への愚痴を投稿するグループを作成したことなどをいじめと認定し、自殺との間に事実上の因果関係があったと判断しました。

平成29年10月20日、昭島市の市立中学校に通っていた1年生の女子生徒が自宅で自殺を図り、その後、12月7日に死亡しました。

学校は当初、自殺の原因は「複合的だ」としていじめが主な原因と認めず、詳しい調査を行わなかったため、遺族が3年後にいじめ防止対策推進法に定める「重大事態」にあたるとして第三者委員会による調査を求め、これまで有識者らが事実関係などを調べて29日、42ページの報告書を公表しました。

それによりますと、同級生数人がSNS上に女子生徒への愚痴を投稿するグループを作成したり、交際関係のうわさを流したりしたことが精神的苦痛を与えたとしていじめと認定した上で、自殺との間に事実上の因果関係があったと判断しました。

また女子生徒が直前の数日を欠席し、心身に不調をきたしていることは明らかだったなどとした上で、中学校に数多くのSOSを発信を受け止めるだけの体制があれば自殺を防げた可能性があると指摘しました。

そして発生後、ほかの生徒に行った聴き取りなどからいじめが疑われることは明らかだったのに学校と市教育委員会が法律に基づく詳しい調査などに移行しなかったことは不十分または不適切だと批判しました。

昭島市教育委員会は「報告書で示された再発防止に向けた提言に沿って現行の取り組みで足りない部分を補い、いじめ防止等の対策に一層の充実を図って参ります」というコメントを出しました。

母親「気持ちが整理できた」

報告書の公表を受け、女子生徒の母親が代理人の弁護士を通じてコメントを出しました。

この中では「いじめの存在が認定され改めて気持ちが整理できました。ここまでくるのに長い時間がかかり苦しかったですが、12月の娘の命日に間に合ってよかったです。娘が発したSOSのサインに学校や教育委員会が対応をしていたら、結果は変わっていたかもしれないと思うと、悔しさと悲しさで苦しい気持ちになります。報告書には教育委員会などに向けた提言があるので、二度と同じような事件が起こらないように対応してほしい」としています。