プーチン大統領 ロシア正教の支持取り付け 国民に結束訴え

ロシアのプーチン大統領は保守派の大規模な集会にオンラインで参加し、ロシア正教会のキリル総主教からの支持を改めて取り付けるとともに、ウクライナへの侵攻を正当化して国民に結束を訴えました。

ウクライナ空軍は29日、西部フメリニツキー州の方面やキーウ州、オデーサ州など各地でロシア軍がイラン製の無人機などによる攻撃を行い、このうち21機を撃墜したほか、ミサイル2発を迎撃したと発表しました。

一方、ロシア国防省は29日の朝、首都モスクワの南方でウクライナによる無人機攻撃を撃墜したと発表し、ロシア、ウクライナ双方の間で空の攻撃が激しくなっています。

こうした中、プーチン大統領は28日首都モスクワでロシア正教会などが開いた保守派の大規模集会「全世界ロシア民族大会議」にオンラインで参加しました。

プーチン大統領は「偉大なるロシア民族、すなわち、ロシア人、ベラルーシ人、ウクライナ人は一体だ。民族間、宗教間の不和を植え付け、社会を分裂させようとするいかなる試みも裏切りだ。ロシアを分断するものはわれわれは許さない」などと主張し、ウクライナへの侵攻を正当化するとともに欧米との対決姿勢を打ち出しました。

集会ではロシア正教会のキリル総主教も演説し、プーチン大統領を支持する立場を改めて示しました。

プーチン大統領は、来年3月に行われる予定の大統領選挙に向けて来月にも立候補を表明するとみられていて、ロシア社会に強い影響力をもつロシア正教の支持も取り付けたうえで国民に結束を訴えた形です。