「さすまた」問い合わせ殺到 東京 上野の貴金属店事件受け

今月26日に東京 上野の貴金属店に3人組が押し入った事件では、店員が「さすまた」を使って抵抗したことが注目されましたが、栃木県の「さすまた」の製造会社には、注文などの問い合わせが急増しているということです。

栃木県で自動車部品などを製造する会社では、金属加工の技術をいかして2011年から「さすまた」を製造しています。

一連の広域強盗事件の発生をきっかけに去年の秋ごろから「さすまた」の注文が増えていて、それまでは月に数件ほどだったものが1日当たり10件以上の注文が寄せられるようになったということです。

また、今月26日に東京 上野の貴金属店に3人組が押し入った事件では、店員が「さすまた」を使って抵抗したことが注目されましたが、この事件のあとからは注文や問い合わせがさらに増えていて、28日はおよそ30件あったということです。

「警察に相談したらさすまたを勧められた」とか「女性でも安心して使えるものがほしい」などといった問い合わせが多いということです。

この会社では、相手に押し当てると体にバンドが巻きついて身動きをとりにくくさせるものや、およそ1キログラムまで軽量化して女性でも簡単に扱うことのできるものなどさまざまな種類を製造しているということです。

29日、東京 江東区で開かれた展示会では会社がブースを設けて、これらの商品を紹介していました。

製造会社の佐野仗※ミツ社長は「担当が電話口から離れられないくらい連絡をいただいている。貴金属店の強盗など最近は犯罪の傾向が変わり、問い合わせの多くはそうしたことへのえも言われぬ不安のように感じる」と話していました。

その上で「さすまた」の使い方について「基本的にディフェンシブ、自分を守るために使うものだ。相手を捕まえたり戦ったりするものではなく、あくまでも逃げる時間を稼ぐものとして考えて、訓練をしたうえで使ったほうが安全で安心だ」と話していました。

※ミツはにんべんに光