政府 来年度予算案の編成に向けた基本方針の原案示す

政府は28日、総理大臣官邸で開かれた経済財政諮問会議で、来年度予算案の編成に向けた基本方針の原案を示しました。デフレからの完全脱却に向けて民間主導の持続的な成長を目指すとともに、中小企業の賃上げに向けた環境整備を進める方針を示しています。

原案によりますと、日本経済は、30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など経済の先行きに前向きな動きが見られており、デフレから脱却できる千載一遇のチャンスを迎えているとしています。

こうした現状認識のもと、民間主導の持続的な成長を目指すとしたうえで、中小企業の賃上げの動きを後押しするための環境整備を進める考えを示しています。

また、若者や子育て世代の所得の向上に全力で取り組み、少子化対策の抜本的な強化を図るとしています。

さらに経済財政運営については、経済を立て直した上で財政健全化に取り組むという考え方のもと、財政への信認を確保し、コロナ禍で歳出が膨らんだ現状を踏まえて、歳出構造を平時に戻す方針を掲げています。

一方、来年度予算案で焦点となっている診療報酬や介護報酬などの改定については、利用者の負担などさまざまな影響を踏まえ、必要な対応を行うという表現にとどめました。

岸田総理大臣は会議で「スタートダッシュとしての経済対策に続く来年度の予算・税制、そして規制・制度改革が重要だ。来年度予算の編成では、『賃金と物価の好循環』を見据えて、政府が率先して対応していく」と述べました。