「エホバの証人」2世らでつくる団体 国に実態調査求める

宗教団体「エホバの証人」の信者の親の元で育った2世らでつくる団体が会見を開き「信者の子どもは幼いころから集会や出版物で性的な表現にさらされたり、教団関係者に、性の経験を語ることを強制されたりしている」などとして、国に対し実態を調査することなどを求めました。

会見を開いたのは、宗教団体「エホバの証人」の信者の親の元で育った2世らでつくる団体です。

団体は「エホバの証人」が教育と称し、集会などで性的な表現を含む資料を見せたり、口頭で伝えたりしていることが子どもへの性的虐待にあたるなどと訴えています。

団体が、SNSを通じて159人の2世に回答を求めた調査では「集会で扱う書籍や冊子に、性的な表現が多く含まれ、小さなころから読まされた」とか、「年齢にそぐわない知識を問答無用で与えられることに非常に違和感があった」などといった声が寄せられ、多くの2世は、それらを性的な虐待だと感じているとしています。

また「長老」と呼ばれる信者の年長者など、教団関係者の前で自身の性的な経験を話すよう強制されたと訴える2世が一定数いて、相談をしても取り合ってもらえなかったり、逆に罰を受けたりした人もいるなどと訴えました。

会見を開いたエホバの証人の2世たちの団体「JW児童虐待被害アーカイブ」の綿和孝代表は「国にも実態を調査してほしい。被害を誰にも訴えられず、痛みを抱えて生きてきた2世たちの被害の補償についても考えてほしい」と話しています。

「エホバの証人」“間違った情報 含まれている”

「エホバの証人」はNHKの取材に対し、「『エホバの証人』はいかなる形の児童虐待も容認していません。特に児童に対する性的虐待は極めて邪悪な行為であり、そうした行為を憎悪しています。出版物そのものが性的虐待を引き起こすことなどあり得ません。団体の報告をすべて精査した訳ではありませんが、明らかに間違った情報が含まれているようです」などとコメントしています。