梅毒の感染者数が3年連続で過去最多を更新

ことし全国から報告された性感染症の梅毒の感染者数は、今月19日の時点で1万3251人となり、去年1年間の1万3228人を上回って、現在の方法で統計を取り始めて以来、最も多くなりました。感染者数は3年連続で過去最多を更新していて、専門家は「リスクのある性行動をとった場合は、感染しているかもしれないと考えて検査を受けてほしい」と呼びかけています。

国立感染症研究所のまとめによりますと、ことし全国から報告された梅毒の感染者数は今月19日の時点で1万3251人と、去年の同じ時期よりおよそ1900人多くなりました。

これは、現在の方法で統計を取り始めて以来、最も多かった去年1年間の1万3228人を上回り、3年続けて過去最多を更新しました。

都道府県別では、東京都が3244人、大阪府が1760人、福岡県が829人などと大都市圏で多くなっているほか、長崎県が124人と去年の同じ時期の2.82倍、鳥取県が26人で2.17倍などと大都市圏以外の地域でも急増しているところがあります。

梅毒は主に性交渉で感染する細菌性の感染症で、薬で治療できますが、放置すると重大な症状を引き起こす可能性があるほか、妊婦から胎児に母子感染する「先天梅毒」を引き起こすこともあります。

日本大学医学部の川名敬主任教授は「感染していても医療機関を受診せず報告されていない人が水面下に多くいる可能性があり、そうした人が感染を広げることで増加が今後も続くことを懸念している。過去にリスクのある性行動があった場合は、症状がなくても感染しているかもしれない。自分ごととして捉えて検査を受けてほしい」と話しています。