中国で拘束 大手製薬会社の社員と大使が初の面会

中国に駐在する垂秀夫大使は、スパイ行為に関わったとして、ことし3月、北京で拘束された大手製薬会社の日本人男性社員と28日、初めて面会しました。男性の健康状態に大きな問題はないということです。

大手製薬会社、アステラス製薬の50代の日本人男性社員は、ことし3月、中国の首都、北京で、スパイ行為に関わったとして、中国の国家安全当局に拘束され、10月に正式に逮捕されました。

ふだんは日本大使館の職員が男性と面会していますが、28日は垂大使が初めて面会に訪れました。

面会は、北京市内の収容施設で、午前中、およそ30分間行われ、男性の健康状態に大きな問題はなかったということです。

垂大使はNHKの取材に対し「男性は自分の拘束について広く関心を持ち続けてほしいと思っているように感じた」と述べました。

垂大使は、12月上旬に任期を終えて帰国することになっていて、それを前に直接、男性と面会したということです。

中国で拘束されている日本人の問題をめぐっては、先にアメリカで行われた日中首脳会談で、岸田総理大臣が習近平国家主席に早期解放を求めており、日本政府は引き続き、さまざまな機会を通じて働きかけるとしています。