大阪・関西万博 “経費の全体像を早期に説明” 松野官房長官

大阪・関西万博をめぐり、会場建設費とは別に、国費の負担が800億円余り生じることが明らかになったことについて、松野官房長官は今後、経費の全体像を早期に国民に説明するとともに、合理化にも努めていく考えを強調しました。

大阪・関西万博をめぐり、自見万博担当大臣は27日、最大2350億円に増額される会場建設費とは別に、政府が出展するパビリオン「日本館」の建設費などのために、国費の負担が800億円余り生じることを明らかにし、野党側からは「予算がどんどんふくらんでいる」と問題視する声が出ています。

これについて松野官房長官は、28日の閣議の後の記者会見で、政府として、これまで物価高騰を含めた要因を丁寧に開示してきたなどとしたうえで「会場建設以外の経費を含めた万博の全体像について、さらに透明性を持ち、速やかにわかりやすく国民に説明していきたい。公費負担の合理化努力も続けていく」と述べました。

自民 世耕参院幹事長「全体像しっかり見せることが重要」

自民党の世耕参議院幹事長は記者会見で「絶対に日本として失敗することができない博覧会であり、透明性を持って説明し、国民に納得してもらうことが何よりも重要だと思う。経費の全体像に交通インフラの整備などを入れるのかどうかなどの議論はあるが、さみだれ式に数字を出すのではなく、全体像をしっかり見せることが重要だ」と述べました。

立民 岡田幹事長「政府は分かりやすく説明する責任」

立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で「補正予算案を見ても、政府が負担する額がよく分からず、もう少しきちんと整理すべきだ。物価の上昇をどのように見て、なぜ追加で多額の金額を計上したかなど、政府は、全体像やそれぞれの項目の費用について分かりやすく説明する責任がある」と述べました。

公明 山口代表「見積もり妥当かどうかきちんと説明を」

公明党の山口代表は記者会見で「費用がいったいどこまで膨らむのか国民が見通しを明確にするよう求めるのは当然だ。小出しに膨らんでいく印象を持たれないよう、政府は見積もりが妥当かどうかきちんと説明する努力が必要だ。万博は政府が責任を持ってやり遂げなければならず、費用負担も国民に納得してもらえるよう説明を尽くしてもらいたい」と述べました。

国民 玉木代表「事業費総額を取りまとめ国会提出を」

国民民主党の玉木代表は記者会見で「政府も日本維新の会も、説明が下手だ。費用の全体像をきちんと示しておらず、できるだけ小さく見せようとしていることが国民の不信を招いている。『経済効果があるからよい』ということでは済まされず、政府には、チケット収入で賄える運営費の分も含めた事業費総額を早急に取りまとめ国会に提出することを求めたい」と述べました。