金融庁 資金繰り支援から事業再生支援への移行 金融機関に要請

新型コロナ対策として実施されたいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する中、金融庁は金融機関に対し、取り引き先への支援の軸足を従来の資金繰りから事業再生に移行するよう要請しました。

新型コロナ対策として実施された実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する中、中小企業の中には過剰な債務を抱えて事業の継続が危ぶまれる例も出てきています。

こうした中で、金融庁は27日、鈴木金融担当大臣も出席して金融機関の代表らとの意見交換会を開きました。

この中で鈴木大臣は「コロナ禍での資金繰り支援に注力した段階から、経営改善と事業再生支援に取り組む新しい段階へ移行する必要がある」と述べ、金融機関に対し、取り引き先への支援の軸足を、従来の資金繰りから事業再生に移行するよう要請しました。

これに対し、全国銀行協会の加藤勝彦会長は「中小企業にとっては物価高や人手不足といった厳しい環境が続くが、経営環境が悪化する前の早期の段階から事業再生に取り組んでいく」と応じました。

金融庁としては、各金融機関が取り引き先の経営悪化の兆候をできるだけ早く把握し、事業再生に向けた提案などを行うよう促したい考えで、こうした方針を金融機関向けの新たな「監督指針」にも明記することにしています。