性別変更の手術要件 憲法違反の判断受け 当事者団体が会見

性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには生殖機能をなくす手術を受ける必要があるとする法律の要件について、最高裁判所は先月、憲法に違反して無効だと判断しました。これを受けて当事者などでつくる団体が会見を開き、規定を撤廃するなど法律の見直しを急ぐように求めました。

27日会見を開いたのは、性同一性障害の当事者やその支援者などで作る全国組織「LGBT法連合会」です。

時枝穂代表理事は「すべてのトランスジェンダーが性自認によって差別されることなく、ありのまま生きることができるよう、法改正を強く求めたい」と述べました。

そして、最高裁判所が先月憲法に違反して無効だとした、性別変更に生殖機能をなくす手術が必要だとする特例法の要件に加え、変更後の性別に似た性器の外観を備えるとする要件も撤廃するよう求めました。

追手門学院大学の三成美保教授は公衆浴場やトイレなど、いわゆる女性スペースの問題について「トランスジェンダーの排除を議論する前に、まずは施設の改善や利用ルールの工夫をするのが先決だ」と話していました。

一方、手術要件の撤廃に反対してきた「女性スペースを守る会」などは最高裁の決定を受け、政府や国会に対して、手術要件を撤廃した海外諸国の動向や、トイレや共同浴場のトラブルの有無などを調査したうえで、法律の改正について慎重に対処すべきだとしています。