イスラエルとハマス 戦闘休止は3日目に 依然 情勢不安定

イスラエルとイスラム組織ハマスが、パレスチナのガザ地区で4日間、戦闘を休止する引き換えに、ハマスが拘束している人質を解放するなどとした合意は26日、3日目に入りました。これまでのところ戦闘が起きたという情報は入っていませんが、情勢は依然、不安定で予断を許さない状態が続いています。

イスラエルとハマスは、11月24日から4日間の戦闘休止と引き換えにガザ地区でハマスが拘束している人質50人を解放することなどで合意しています。

合意は26日で3日目に入りましたが、これまでのところ戦闘が起きたとの情報は双方から入っていません。

合意に基づいて、2日目までにイスラエル人の人質26人が解放されたほか、タイなど外国籍の15人も合わせて解放されています。

またイスラエル側も、刑務所で収容してきたパレスチナ人、合わせて78人をこれまでに釈放しました。

ただ、中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどは25日、パレスチナ人の囚人が収容されているヨルダン川西岸の刑務所付近で、イスラエルの治安当局が集まったパレスチナ人に発砲し、けが人が出たと伝えています。

パレスチナ暫定自治政府が置かれているヨルダン川西岸は、ハマスが実効支配するガザ地区とは状況が異なりますが、一連の衝突が始まった10月7日以降、イスラエルの治安部隊の作戦などで200人以上が死亡するなど、不安定な状態が続いています。

ヨルダン川西岸での緊張が、ガザ地区での戦闘休止や人質などの解放を決めた合意に影響を与えないかどうかも懸念されます。

一方、ハマスは25日、ガザ地区北部に届けられた支援物資が十分でなく、合意が守られていないと主張し、一時、人質の解放を延期したと発表するなど、イスラエル側に揺さぶりをかける動きも見せました。

今後も、こうした駆け引きが続くとみられ、情勢も依然、不安定で、合意の履行が着実に継続されるか、予断を許さない状態が続いています。

イスラエル 刑務所からパレスチナ人 78人釈放

今回の合意で、これまでに78人のパレスチナ人が、収容されていたイスラエルの刑務所から釈放されました。

カタール外務省などによりますと、このうち48人が子ども、30人が女性だということです。

パレスチナの通信社は26日、イスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ人は、72人の女性と250人の子どもを含む7500人に達していると伝えています。

このうち、イスラム組織ハマスによる大規模な攻撃が始まった10月7日以降、新たに収容された人は3000人以上に上るということです。

イスラエル当局は、裁判所の判断や根拠を示すことなくパレスチナ人を刑務所に、事実上、無期限で収容することを可能にする「行政拘束」と呼ばれる措置をとっていて、国際社会からは強い批判の声が上がっています。