“体に障害ある人もAED使うなど救命処置を” 都内で動画撮影

体に障害がある人も目の前で人が倒れた場合にAEDを使うなど救命処置に参加してほしいと呼びかける動画の撮影が都内で行われました。

これはAEDの普及を進めるNPO法人が企画したもので障害のある人たちに実際に救命処置の流れを体験してもらいその様子を撮影しました。

東京 中央区のスタジオで行われた撮影にはスノーボードの事故で足が不自由になり車いすで生活する大学3年の武田羅生さんが臨みました。

武田さんは以前、AEDの使い方を学んだことがありましたが、足が不自由になってからは初めての試みで
▽AEDを取りに行く
▽携帯電話で119番通報する
▽車いすから自力で降りて胸骨圧迫をしたあと、AEDを使用するという3つの場面を撮影しました。

武田さんは「障害者になってから周りに助けられることが増え、守られる側になっていましたが人が倒れたときにやれることはたくさんあるんだと気付き、貴重な体験でした」と話していました。

また、元プロボクサーで聴覚に障害がある小笠原恵子さんも参加し、人が倒れているのを発見してジェスチャーで人を呼び、119番通報をしてもらうまでの動きなどを撮影しました。

主催した「ちば救命・AED普及研究会」代表の本間洋輔医師は「足が不自由だと難しいだろうとかこちらが壁を作ってしまいがちですが、工夫すればできることが分かりました。できる範囲で救命の輪に入ってほしい」と話していました。

撮影された動画はナレーションと手話通訳を入れ、来年3月に完成する予定で無償でネット上に公開されるほか講習会などでも活用されることになっています。