ムンバイ同時テロから15年で追悼式典 遺族 テロの撲滅訴える

インド最大の商業都市ムンバイで、日本人1人を含む160人以上が死亡した同時テロ事件から26日で15年となりました。現地では追悼式典が開かれ、犠牲者の遺族たちはテロの撲滅を強く訴えていました。

2008年11月26日、インド西部のムンバイで武装したパキスタン人らのグループがホテルや駅などを襲撃し、出張で現地を訪れていた日本人1人を含む166人が死亡しました。

事件から15年となった26日、現地の警察施設に設けられた慰霊碑の前では追悼式典が開かれ、犠牲者の遺族や警察関係者が花を手向けていました。

事件をめぐっては、インド政府はパキスタンのイスラム過激派組織による犯行と断定し、パキスタン政府にこの組織の幹部らの処罰を求めていますが、いまも実現していません。

殉職した警察官の30代の娘は「どれだけ時間がたっても心の痛みは続きます。世界からテロがなくなることを願います」と語り、テロの撲滅を訴えていました。

この事件以降、インドでは大型の商業施設やホテルなどの入り口に金属探知機や、X線を使った検査装置が設けられるようになり、いまもテロへの厳重な警戒態勢が続けられています。

ムンバイ警察のトップ、ビベック・ファンサルカル氏はNHKの取材に対して、「警備体制を強化し、市民の安全のために全力を尽くしている」と述べ、15年の節目にテロに屈しない姿勢を強調していました。