「死にたい」と感じている子ども コロナ禍前の1.6倍に

コロナ禍が子どもの心に与えた影響について国立成育医療研究センターなどのグループが調査したところ、全国の医療機関を受診した10代までの患者のうち、「死にたい」と感じている患者の数がコロナ禍前から1.6倍に増えていることがわかりました。

この調査は国立成育医療研究センターなど子どもの心の診療に当たっている全国31の医療機関を対象に行われたもので、新型コロナウイルスの流行前と後で変化があるかを調べました。

その結果、昨年度初診で来た10代までの患者のうち、本人が「死にたい」と感じている状態だと医師が診断した患者は214人で、新型コロナウイルスが流行する前の2019年度の135人からおよそ1.6倍に増えていたということです。

男女別では、女性が166人、男性が48人で7割以上が女性でした。

また、自殺をはかって受診した患者も2019年度が63人だったのに対し、2022年度は110人でおよそ1.7倍に増えていたということです。

調査にあたった小枝達也副院長は「新型コロナによる行動制限で子どもどうしのコミュニケーションにも制限が加わったことが影響しているのではないか。自殺願望がある子どもが広がっているおそれがあり、子どもたちにとって居心地のいい環境作りを社会全体で進める必要がある」と話していました。